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zoom RSS 『ポスト・ヒューマン誕生』

<<   作成日時 : 2017/02/25 22:18   >>

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『ポスト・ヒューマン誕生 〜コンピュータが人類の知性を超えるとき〜』 レイ・カーツワイル NHK出版
人工知能の話を聞いていると出てくるのが、「シンギュラリティ」。

「技術的特異点」と訳される。短く言うと、「コンピュータの能力が、人間の能力を超える時」を表わしているのであるが、それが2045年ごろだというのだ。後28年くらい先の話だ。
年配の人にとっては、生きてるかどうか分からないが、生きてるといいなくらいの感覚で、若い人たちは、そんな先のことは想像もできないという。中間の人たちは、まだ現役で働いている間にやってくるので、大いに興味はあるだろう。

この「シンギュラリティ」について、レイ・カーツワイルが、こまかく解説しているのが本書である。
軽い気持ちで読み始めたのであるが、なかなか手ごわい本である。よほど興味のある人以外は、最期まで読み終わらないのではないかと思われる。

「シンギュラリティ」の前に、人間の記憶容量についてカーツワイル氏は次のように述べている。

人間の記憶容量の要件を見てみると、コンピューティング能力の場合と同様の実現スケジュールに落ち
着くことがわかる。専門家がある領域でマスターする知識の「塊」の数は、さ
まざまな領域のどれをとっても、およそ105である。これらの塊は、パターン(顔など)のこともあれば、
具体的な知識のこともある。たとえば、チェスの世界的な名人は、約10万種類のボード上の駒の配置
を覚えているとされている。シェークスピアは2万9000個の単語を使ったが、これらが示す意味は
10万に近かった。医療分野でのエキスパート・システムの開発から、人間は、ひとつの領域でおよそ
10万の概念をマスターできるとわかっている。もしも、この「専門的」な知識が、人間のパターンや
知識の記憶容量全体のわずか1パーセントにすぎないと想定したら、塊は全体で107あると推算される。
 同じような知識の塊をルールに基づいたエキスパート・システムあるいは自己組織化的なパターン認
識システムのいずれかに保存できるシステムを自分で設計した経験からすると、塊(パターンもしくは
知識の項目)ひとつの情報量は106ビットというのが見積もりとしては妥当で、人間の機能的な記憶の容
量全体は1013ビット(10兆)となる。
 ITRSロードマップからの予測によれば、2018年ごろには、1013
ビットのメモリが1000ドルで買える。このメモリは、人間の脳で使われている電気化学的なメモリ
のプロセスより数百万倍も速く、したがって効率がはるかに高いことを忘れずにいてほしい。
 また、人間の記憶を、個々のニューロン間結合のレベルでモデル化すれば、見積もりの値はもっと高
くなる。結合パターンや神経伝達物質の濃度などを記憶する結合ひとつが104ビット、結合の数が1014だと
推定すると、全体の情報量は1018ビット(10億×10億)になる。
 ここまでの分析に基づけば、人間の脳の機能を模倣できるハードウェアが2020年あたりにはお
よそ1000ドルで手に入ると予測するのが妥当だ。第四章で論じるが、人間の脳の機能性を模写する
ソフトウェアはその10年後には出てくるだろう。それでも、ハードウェア・テクノロジーのコストパ
フォーマンスと容量、速度の指数関数的な成長は、その間も続き、2030年には、ひとつの村に住む
人間の脳(約1000人分)が、1000ドル分のコンピューティングに相当するようになる。2050年
には、1000ドル分のコンピューティングが、地球上の全ての人間の脳の処理能力を超える。も
ちろん、この数値には、まだ生物的なニューロンしか使っていない脳も含まれる。
(136〜137頁)

 この説明によると、2050年より前に、シンギュラリティはやってくると考えられる。
途中を飛ばすが、肝心の説明は、もうすぐだ。

 容量ではわれわれ自身の脳と同等だといっても、われわれの知能に占めるこの非生物的な部分は、脳
よりもさらに強力になるだろう。なぜなら、人間の知能がもつパターン認識能力と、機械がもつ記憶と
技能を共有する能力や正確な記憶能力とが合体するからだ。非生物的な部分はつねに最高の性能を発揮
する。この点は、今日の生物的な人間の特性と大きく異なる。現在の生物的な人類文明の能力は1026CPS
あるとしたが、これは十分に活用されていない。
 だが、この2030年代初めのコンピューティングの状況は、特異点ではない。まだ、われわれの知
能を根底から拡大するまでに至らないからだ。しかし、2040年代の中盤には、1000ドルで買
えるコンピューティングは1026CPSに到達し、1年間に創出される知能(合計で約1012ドルのコストで)は、
今日の人間の全ての知能よりも約10億倍も強力になる。
 ここまでくると、確かに抜本的な変化が起きる。こうした理由から、特異点−−人間の能力が根底か
ら覆り変容するとき−−は、2045年に到来するとわたしは考えている。
 非生物的な知能が2040年代半ばには明らかに優勢を占めるにしても、われわれの文明は、人間の
文明であり続けるだろう。生物を超越はするが、人間性を捨て去るわけではない。この論点については、
第7章でふたたび取り上げる。
(150〜151頁)

 2030年代の初めころには、生産されているすべてのコンピューティング量が、人間の容量に等しくなり、その時点でも特異点ではなく、さらに進んで1000ドルで買えるコンピュータが、全人類のコンピューティング能力を超える。それが2045年だという。

1000ドルのコンピュータ。

今なら、高機能パソコンとか、タブレット3、4台分くらいのものが、世界中の人間の能力よりも大きくなる。そんな機械が、そこら中にあるとしたら、より高度なプログラムを内蔵した高機能コンピューターだけでも、ものすごいことになりそうだ。

カーツワイル氏は、この「シンギュラリティ」が起きるための技術について3つ上げている。
それは、
 遺伝学(G)
 ナノテクノロジー(N)
 ロボット工学(R)
だという。

本書の後半は、これらの技術について説明しているが、長くなるのでこのくらいにしておく。






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