兎夢のつれづれ日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 『AIと人類は共存できるか?』

<<   作成日時 : 2017/03/25 16:53   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 30 / トラックバック 0 / コメント 0

『AIと人類は共存できるか? 〜人工知能SFアンソロジー〜』 人工知能学会 編 早川書房
人工知能が実用化の時代になってきたことは間違いない。

しかし、SFに出てくるような人工知能が誕生するのはまだ先のことだろう。
人との会話においても、相手が人か人工知能か区別がつかないような応答をしてくれるものは、まだできていない。

そうは言っても、囲碁が人の最強者に勝つのに10年かかると言っていた、翌年にはすでにそれが実現し、さらに1年もかからずに、人が誰も勝てないくらい強くなってしまった。

1人の人間の脳の大きさには限界があるが、コンピュータの大きさには限界が考えにくい(予算次第である)。10年が1年に早まったのは、Googleが巨大なコンピュータファームを用意できたことが一番の功績だ。世の中はムーアの法則に則って性能が高くなっている。

1年半とか2年で性能が倍になるとして、20年で1000倍以上になるのは見えてくる。
そうすると、今の囲碁ソフトですら、1000台のコンピュータが必要としてても、20年後には1台のコンピュータでできるようになる。ならば、20年後に1000台のコンピュータを用意すれば、1000倍の事ができ、囲碁並みの思考を1000種類平行して短時間に実行できてしまうであろう。

本書は、AIの解説中心の本ではない。SF中心の本である。AIについての予備知識や、プログラム開発の知識が無くても読んで理解することは可能だろうが、まったく知識がないと最後まで読めないと思う(AIの解説は読み飛ばすとしても)。
また、SF好きでもジャンルの広さには閉口するかもしれない。

SFが5作品収めてあり、それぞれのSFのテーマに沿って、現在のAI技術に則して解説が加えられている。

なぜこの順番に並べてあるのかわからないが、私は、次の順番に読むことをお勧めする。
先に
後ろの2編を読む。
・塋域の偽聖者
・再突入
次に残りを逆順に読む
・仕事がいつまで経っても終わらない件
・第二内戦
・眠れぬ夜のスクリーニング

何故、この順番なのかというと、「眠れぬ夜のスクリーニング」はSEやプログラマがよく使う用語が頻繁にでてきて、それを知らない人が読んだらつまずいてしまうと思われるからだ。

「第二内戦」もそれに近い。

コンピュータで予測を立てる。スポーツの試合の予測、選挙の予測。世の中のいろいろな出来事を、データ分析によって予測する。統計解析での予測に人工知能が行う予測が加わって、何故そういう結論がでるのかを人間が理解できる形で説明できない予測ができつつある。

そんなことをテーマにしたのが「仕事がいつまで経っても終わらない件」である。
国立情報学研究所の相澤彰子氏の解説を読んでみよう。

AIによる世論の予測と誘導
「この国の歴史に残る事業を、最新の技術の力を借りて達成する−−50億円かけて国民投票で
勝つ。」
 AIが世論を誘導する。研究予算の申請書に書いたら、ピカッと赤信号が灯るネタである。あ
るいは、AIが世論を予測する、これならば行けるかもしれない。曰く、選挙など公平さが求め
られるイベントでは、世論が不適切に操作されないようモニタリングを行う必要がある。そこで
本提案では、AIによる予測と実際に観測される値のずれを手がかりに、怪しい動きを検知する
手法を提案する……。
 この赤信号プロジェクトと青信号プロジェクト、言い回しは違うが、予測と制御は紙一重、手
法的には大きな違いはない。つまり、単なる出口調査の場合と異なり、世論の動きをコンピュー
タで捉える場合には、世論を予想(予測)することと誘導(制御)することは表裏一体の技術的
課題である。これは道具としての技術が必然的に持つ二面性であり、世論については予測が正義
で制御は悪ということだ。

この後、10ページほどに渡って、検討結果が述べられている。

選挙や国民投票のような、ある時点での状況が、刻々と変化するものについて、メディアなどが予測をしてどうなりそうかを発表することが、いいことなのかどうか、難しい問題である。

このSFに出てくるような、予測を立てられるコンピュータが、予測するだけでなくシミュレーションできるようになると、恣意的な結果がでるように、国民を誘導することができてしまうかも知れない。

裁判の判決についても世論の動きは、メディアの発表によって左右される可能性がある。
裁判官が判決を出すだけでなく、裁判員裁判制度は、その傾向が強まる。メディアの報道を、目にしたり耳に聴いたりしているとよく聞く意見が大方の意見だと思ったり、少数意見でも多数意見と同じ程度に見聞きすると、少数ではなく、半々くらいの意見なのではないかと誤解してしまう。人間の判断は、かなりあいまいなものだ。

AとBの候補があった場合、Aが良いという人、Bが好いという人、どっちがいいか投票しようとしたときに、他の人の意見を参考にしたいという人もかなりいるだろう。

同調したい人と同調したくない人、この割合は、ある程度決まったあたりにあるのではないかと思う。それが、投票の直前に「Aを押す人が多い」と報道されると、Aを押す人に同調したい人は、安心して、投票に行かないかもしれない、Aを押さない人は、逆に奮起して、是が非でもBに投票に行こうとするかもしれない。

Aがどういうものか、Bがどういうものかは事前報道する価値が高いが、どっちを押す人が多いとか少ないという情報は結果に影響を与えてりまう可能性があるので、排除した方がいいのではないだろうか?

AIで世論の研究ができるようになると、こういう事も「メディアは慎重に扱う必要がある」となるように思う。










人類を超えるAIは日本から生まれる (廣済堂新書)
廣済堂出版
松田 卓也

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 人類を超えるAIは日本から生まれる (廣済堂新書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

なぜあなたの予測は外れるのか??AIが起こすデータサイエンス革命
扶桑社
小松 秀樹

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by なぜあなたの予測は外れるのか??AIが起こすデータサイエンス革命 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 30
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『AIと人類は共存できるか?』 兎夢のつれづれ日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる