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zoom RSS 『寿命はどこまで延ばせるか?』

<<   作成日時 : 2017/08/11 14:00   >>

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『寿命はどこまで延ばせるか?』 池田 清彦 PHPサイエンス・ワールド新書
時代の変化が指数関数的に早くなっている。
いつかそのサイクルが崩壊して、文明の終焉を迎えるのかもしれない。

人間の寿命は、医療の高度化と生活水準の改善で徐々に伸びてきているが、その伸び率はだんだん限界に来ている。何かブレークスルーがなければ、人間の寿命は120年。世界一長寿の人が亡くなると、新聞記事になり、次に
長寿の人が、どんなに無名の人生をおくってきていても新聞に名前が載り、ギネスブックに掲載される。

人間を形作っている一つ一つのモノが細胞である。細胞は、受精卵というひとつの細胞が、分裂して分化して、それぞれに別の機能を司り一人の人間になっている。

人が成長する段階で、細胞は、分裂して増えるだけでなく、沢山できた中で一部の細胞は消えて無くなることで、人の形になるという。

この消えて無くなることをアポトーシスという。

 私たちの手足には五本の指があるが、この形は指と指の間の細胞が適当な時期にアポ
トーシスで消滅してできるのである。アポトーシスのスイッチが入るのは実際にアポト
ーシスが起こる数週間前であり、これ以降の細胞を切り出してシャーレで培養しても、
時期が来ると自殺してしまう。反対にこれより前の細胞を切り出して培養すると、指の
間の細胞たちがアポトーシスで死ぬ時期が来ても、シャーレの中で生き続ける。同一個
体のすべての細胞の遺伝子組成は同じである。すべての細胞はアポトーシスのメカニズ
ムを持ってはいるが、それが発動するかどうかは、文脈依存的に(周囲の細胞や環境と
のかねあいで)決まるのである。
 脳の機能もアポトーシスのおかげである。
 人間の出生時の大脳皮質のニューロン(神経細胞)の数は約1200億個と言われて
いる。大人の大脳皮質のニューロン数は120億であるから、九割のニューロンは発生
の途中で消えたことになる。

どのくらい消えるかと言うと
・出生:1200億
・2歳: 200
・8歳: 120
これ以降はそれほど変わらないということになる。
細胞は、まず沢山作って、いらない部分を減らしていくというのが生命の基本戦略のようである。

生まれてから、8歳までに脳細胞の取捨選択が行われるということは、この時期に何を体験させるかは、その子の人生の大きな方向を決めていくということになるのかも知れない。それまでに体験しなかった機能は消えて無くなるということだ。言葉を覚えるのも、音楽を理解するのも、絵画を描くことも、人と人がコミュニケーションすることも、この年齢までは重要なのではないか。

生命を作っている一つ一つの細胞の中にあるDNA。このDNAは、細胞分裂するときに、まったく同じコピーができるはずが、必ずしもそうではなく、DNAのシッポみたいな部分があって、このシッポは、同じ配列が繰り返されている。

このシッポをテロメアという。

 … ちなみにテロメア配列も哺乳類ではすべて共通でGGGTTAだが、他の生物
では微妙に異なっており、繊毛虫類のテトラヒメナではGGGTTG、ゾウリムシでは
GGGTT、昆虫ではGGTTA、植物のシロイヌナズナではGGGTTTAである。
 それではなぜ、高等動物はテロメアを細胞分裂のたびに短縮するというやり方で、分
裂細胞に対して寿命をインプットしたのだろうか。
 ……
 正解は恐らく、生殖細胞を除く分裂細胞に寿命をインプットした生物がたまたま出現
したところ、運よくこの生物は滅びなかった、ということにすぎない。生殖細胞という
形で不死性を担保しさえすれば、それ以外の細胞や個体に寿命があろうがなかろうが、
自然選択はそのことに関与しない、という話を思い出してほしい。寿命があろうがなか
ろうが、長かろうが短かろうが、生殖細胞系列が生き延びさえすれば、これらの性質は
淘汰されない。

寿命があった方が、世代交代が起きて、環境の変化に適応できる子孫が生き延び、変化に適応できないものが、食糧を食い尽くしてしまわないようにできたとも考えられるが、池田氏は、”たまたま”だったのではないかという。

 人間の寿命が少しずつ長くなって、多くの人が人生百年時代になったら、職業の在り方にも変化がおきないといけない。

 解剖学者の養老孟司は、以前から都市生活と田舎の生活の参勤交代を主張している
が、現在のシステムでは脱サラをして田舎で暮らしたくても、収入は乏しく、さらに一
度会社を辞めたら、特殊な才能でもない限り復帰するのは非常に困難なので、参勤交代
と口で言うのは簡単だが、実現はほとんど絶望的である。
 しかし、ヒトは時に頭を使い、時に体を使い、さらには全く別の商売をやったりして
生きるほうが退屈しないことは確かであり、長寿社会では、この退屈しない生き方とい
うのは相当重要な気がする。同じ会社に五十年以上勤めていたら誰でも飽きてくる。そ
れで、簡単に転職可能なシステムを考えよう。
 まず、普通の会社であれば、役員を除いてすべて時給いくらのアルバイトにしてしま
う。ただしアルバイトといえども、その身分は現在の正社員と同等程度には保証され、
会社の都合でクビにはできないようにする必要がある。
 次に最低の時給を現在の水準で2500円くらいにする。働き方は本人の選択が尊重
されるようにして、週休二日、三日、四日(すなわち働くのは週五日、四日、三日)など
本人のライフプランに合わせて自由に決められるようにする。
 そうすれば、一日8時間、週5日働けば月収は40万円ほどになり、ボーナスがなく
ても暮らしていけるだろう。余暇がたくさんほしい人は週休三日にすれば、月収は32
万円となる。もちろん、会社がどうしても必要な人材に対しては、いくらでも時給を上
げることができるわけで、悪平等にはならないだろう。辞めてもまた勤めれば最低時給
の2500円は保証されるのであれば、人々は自分の趣味やライフプランに合わせて働
きたい時に働くことができ、うつ病やノイローゼになる人も少なくなり、自殺者も減る
だろう。収入の世代間格差や職種による格差も少なくなり、長寿社会に相応しいシステ
ムだと思われる。

著者もこのあと述べているが、日本だけでこのような制度にしても、海外との関係がある。

日本と海外の格差もある。今後、世界全体が長寿になっていくなかで世の中がどうなっていくのかはわからない。

生命全体としては、種が長く生き残るように進化してきている。
個々のヒトがどれだけ長く生きるかは、社会全体の中でどう活かしていくかが重要となる。

健康長寿という言葉がでてきたのも、病院のベッドの中で身動きもできずに長く生きるよりは、少しでも活動して、何か創造的な活動をして長く活きたいものである。
インターネットとモバイル端末は、高齢者にとっても社会とつながりながら、自己表現できる場を作っていく良いツールとなっているので、もっと使いやすくしていかなければいけない。






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