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zoom RSS 『任天堂』

<<   作成日時 : 2017/10/07 23:16   >>

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『任天堂 〜“驚き”を生む方程式〜』 井上 理 日本経済新聞出版社
子どもの頃、任天堂という文字は、花札のケースあたりに書かれている文字で、Nintendoは、トランプカードのケースに書かれているものと認識していた。

世代が代わると、Nintendoはファミコンや携帯ゲーム機の会社となっているだろう。
この任天堂が生き抜いてきた秘密がこの本に著されている。2009年の発行なので、この本がでてから8年たち、次の成長への手段が見えない感じであったが、昨年のPokemonGo人気から少しずつ回復基調になってきた。

それでも、ゲーム機の冬は、スマホの台頭によってしばらく続くのかもしれない。

ゲーム産業の変化はスマホがでてきたから始まったわけではないという。
2002年に社長に就任した岩田は、ゲーム離れが深刻な段階に来ていることを痛感したという。

「いろいろなことを考え、調べていくと、どの角度から見てもゲームをする人が減っていた。子
供たちのゲーム参加率が減っているという意識は、そんなにない。だけど、ゲームを卒業するタ
イミングは早まっていた。それから、昔は、早く帰って家でゴロゴロする時間があったんですけ
ど、そういう時間が世の中全体から失われていた。僕らがもっと素晴らしいゲームをと頑張った
結果、時間やエネルギーをゲームに割けない人たちが『もういいや』と、静かに立ち去っていた
のです。調べれば調べるほど、これは本当に深刻だと感じました」

周りの人々も、取材にきた記者に尋ねても、最近はあまりやっていないという。
3Dになって、きれいな画面がでて、難しくて、探求心をあおるゲームが敬遠されていた。
競合相手のPS2は売れている。なぜ売れているか、実はDVDの再生機として購入されていたという。

ゲーム機としては、少々高めの価格設定も、DVDの再生機兼用と思えば手がでる。そういう用途としての購入が増えていた。では、任天堂のめざす方向はどこなのか?岩田社長は次の反撃を考えていた。

それから数年、2005年にWiiのコンセプトが見え始め、2006年に世の中に姿を現す。
2007年度、売上、営業利益、純利益の全てを過去最高を記録する。Wiiが業績を大きく引き伸ばし、DSのビジネスも好調に推移した結果だ。

岩田のビジネスについて

 岩田体制になって何が変わったのか。そう聞くと、技術部門を統括する竹田は、「芯は変わっ
ていないけれど、岩田になって、少しサイエンスが加わったんだと僕は見ています」と言う。
 これに宮本も呼応する。
「山内は天性の勘とか、経験則とかで予言する人なんです。けれども、岩田は逆に経験則から
否定されている部分でも、科学的に見たらまだ使える要素があるんじゃないかと、1つずつ仮説
を立てて裏付けを取ろうとする。裏付けが取れたら、今度は戦略に折り込んでいく。勘から確信
として動けるようになって、他の人たちも説得しやすくなるんです」
 断っておくが、岩田がマーケティングを好んでいるわけではない。マーケティングは今のニー
ズを切り取るもの。そのニーズをもとに商品を開発すれば、過去に向けて商品を出すことになり、
未来を先取りすることはできない。それは自分の信念に反する。
 あくまで岩田は、起きていることの理由や仮設の裏付けを取るために、言いたいことの委曲を
尽くすために、データを好むのだ。そのデータを収集する間口は広い。

岩田社長は、何が、売れていて、どういう状況になっているのか。データを分析してグラフにして説明しているという。データは実体を表わしているものだ。しかし将来を保証するものではない。

さて、携帯ゲーム機の開発においては、横井軍平が活躍しているという。

 ゲーム&ウォッチ誕生のきっかけは、横井が出張中の新幹線で、サラリーマンが退屈しのぎに
電卓で遊んでいるのを見かけたことだった。
「手のひらで隠せる電卓に似たサイズで、サラリーマンがさりげなく暇つぶしで遊べるような
ゲーム機は作れないものか」。そんなひらめきを、横井が、たまたま当時の社長、山内と車に乗
り合わせた時に言ってみたら、トントン拍子で話が進んだ。

1980年の発売開始から8年間で約70種類のシリーズ商品を販売し累計4800万台を超えたという。

 この爆発的なヒット商品こそ、横井が残した名言「枯れた技術の水平思考」のお手本のような
例である。つまり、電卓を構成する成熟した部品や技術を利用するものの、まったく違う目的や
使い道の娯楽商品を作るということだ。
 冒頭の光線銃で言えば、豆電球と太陽電池という枯れた技術を使い、豆電球を証明用ではなく
「弾」の代わりに、太陽電池を発電用ではなく「センサー」代わりに利用して、驚きのおもちゃを
作った。

枯れた技術を応用することによってコストも安く抑えられる。意外な組み合わせとか、利用法を生み出すことによって、開発費も生産コストも抑えて子供がプレゼントにもらえる価格帯のおもちゃにできるという。

任天堂の製品には、こうした工夫がされているという。
・Wiiのリモコン
・Wiiの本体の画質
巨大企業のMSや、SONYと闘うときに、資本の少ない任天堂があみだしたのは、先端技術を追いかけても、多くの人々に愛される商品はできない、従来技術を使っても、ひと工夫、ふた工夫していけば、より多くの人々に届けることができるという。

岩田を社長に据えた、山内は、ハードの産業とソフトの産業は違うという。
技術開発をして、労働力の安いところを探して場所を移しながら生産効率を求めていくハードの産業に対して、

 娯楽産業はあらゆる点で必需品を作るハード側の産業とは違う。
 人間が生きるために必要なモノを扱うわけではないので、喜びや驚きがないと見向きもされな
いし、わかりやすく快適でないとそっぽを向かれてしまう。技術や性能、価格といったハードの
出来ではなく、コンテンツの面白さやルール、仕組み、すなわちソフトの出来が求められる世界
である。
 言い換えると、娯楽産業は、高機能、高品質のモノをより安く作るための体質が優先される
ハード産業とは違い、洗練されたソフトを生み出す体質、すなわち、ソフト体質が優先される、
というのが山内の持論だ。
 娯楽の世界に身を置き続けた任天堂には、その体質が染みついている。
 特に資本主義、市場原理主義に揉まれた近年、激しい競争の中で任天堂が勝ち抜いたというこ
とは、トップにその体質を守り抜く資質が備わっていた証左なのだと、山内は言う。

ハードがメインに見えるSONYに対して、任天堂はソフトが主でハードが従になっていることが、任天堂の強みとなっている。

ソフトが主ということは、「他社と同じことをやっていてはいけない」、山内の言葉では『娯楽はよそと同じが一番アカン』という。

昨年あんなに流行っていたPokemonGoもいつしか飽きられて、やり続ける人が減っている。
飽きられてしまう前に、次の手を打ち、夢を提供していくのが娯楽産業。
これからの任天堂はどう変化していくのだろうか。










任天堂 “驚き”を生む方程式
日本経済新聞出版社
井上 理

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