兎夢のつれづれ日記

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zoom RSS 『「酒」と作家たち』

<<   作成日時 : 2017/11/18 22:31   >>

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『「酒」と作家たち』 浦西 和彦 中公文庫
作家というと、酒豪が多いのではないかと思うがそうでもないらしい。

夏目漱石は、体質的に弱かったらしい。それでも文学の中では、酒の話がでてくる。
飲まないからこそ、飲む人を観察していろんな文章を書けたのかも知れない。

 漱石が作品のなかで、酒をどんなふうに扱っているか具体的にみてみたい。−−『吾
輩は猫である』でみてみたい。
 苦沙弥先生はこんな日記をつける。
「神田の某亭で晩餐を食う。久し振りで正宗を二三杯飲んだら、今朝は胃の具合が大変
いゝ。胃弱には晩酌が一番だと思う。タカヂャスターゼは無論いかん。誰が何と云っ
ても駄目だ。どうしたって利かないものは利かないのだ」
 苦沙弥先生は、胃弱で、タカヂャスターゼという消化剤を飲んでいたけれども、余り
きかないので、寒月と二人で日本酒を傾けたところ、かえって調子がよかったので、こ
んなことをかきとめているのである。これは恐らく実際の体験にもとづくものであろう。
但し、漱石は盃で二、三倍飲んだことがあるか、どうかは余りはっきりしない。寒月は、
寺田寅彦である。神田の宝亭という料理屋にはよく行っている。

余り飲めなかった漱石も

『吾輩は猫である』の終りには、麦酒のことがしきりに出てくる。十一には、
(1)「右の手へ重そうに下げた四本の麦酒を縄ぐるみ、」
(2)『何だい其ビールは』
(3)「『そりゃ愉快だ。先生私は生まれてから、こんな愉快な事はないです。だからも
う一杯ビールを飲みます』と自分で買って来たビールを一人でぐいぐい飲んで真赤にな
った。」
(4)「吾輩は我慢に我慢を重ねて、漸く一杯のビールを飲み干した時、妙な現象が起
った。始めは舌がぴりぴりして、口中が外部から圧迫される様に苦しかったのが、飲む
に従って漸く楽になって、一杯目を片付ける時分には別段骨も折れなくなった。もう
大丈夫と二杯目は難なく遣付けた。序に盆の上にこぼれたのも拭ふが如く腹内に収め
た。」
 (4)は、『吾輩は猫である』の猫がビールに酔っぱらって、水がめに落ちて、お陀仏に
なるという結末である。猫の酩酊状態がよく描かれている。

酒を飲まなかったから、するどく観察できたのか。

ほかにも、飲めなかった作家がいるという。

『鬼平犯科帳』を読んでも、『剣客商売』を読んでも、むろん『藤枝梅安』のどれを読
んでも、酒と食いものの名場面や名台詞が次から次へと出てくる。そして主人公の飲み
っぷりが、いつの場合でも、実に男らしく粋である。こういうものを書く人は余程の酒
豪ないしは酒仙であるに違いない……と、勝手に思い込んでいた。一読者として。
 縁あって、ちょうど十年間、池波正太郎のいわば”通いの書生”のようなことをさせ
てもらったが、その結論をいえば、池波正太郎は決して酒豪ではなかった。正確には
”斗酒なお辞せず”型の酒豪ではなかった。
 飲めばいくらでも飲める人だったかもしれないが、底無しに飲むということが(私の
知る限りでは)一度もなかった。酒は好きだったが、”酔っぱらい”も”自分が酔っぱら
うこと”も嫌いだった。

飲めない作家ばかりではない。本書には様々な作家が紹介されている。

雑誌『酒』に掲載された酒にまつわるエッセイから収録されたものだという。

このあたりのことは本書の解説に詳しい。簡単に紹介すると

雑誌『酒』は、佐々木久子氏が長年苦労しながら編集して発行し続けたものだ。
昭和25年に創刊されたが5冊で休刊においこまれ、次に昭和30年に復刊して、
この時から佐々木久子氏がかかわり、復刊して1年もたたず発行者の株式新聞の
労働争議で休刊。佐々木久子氏が1年で解雇され、火野葦平が「死ぬまで原稿を
書いてあげるから」との励ましをうけて刊行し、平成9年7月まで続いたという。

『酒』には「文壇酒徒番付」というのが掲載されていたという。その1年間に活躍した作家たちの飲みっぷりだけでなく文壇の位置づけもこめて順位がつけられていたという。興味ある方は、次のリンク先を見ていただきたい。
https://pdmagazine.jp/people/bungou-sake/






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