兎夢のつれづれ日記

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zoom RSS 『人工知能の見る夢は』

<<   作成日時 : 2018/03/10 17:01   >>

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『人工知能の見る夢は 〜AIショートショート集〜』 新井 素子、他26+8人 文春文庫
学会というと、なんかお堅い会合と思われる。学会誌というとさらに近づきがたい難しくて読むのも大変だろうなどと勝手に思ってしまうが、人工知能学会はそれほど取っつき難いところではないらしい。

人工知能学会が、日本SF作家クラブ協会に協力してもらって、人工知能学会誌に掲載してきたAIをテーマにしたショートショートを人工知能の学術分野別に編集し、現在の人工知能の研究について解説を加えたのが本書だ。

ショートショートは、ここで解説を加えるものでもないので、人工知能に関する解説を引用したい。

まずは、昨今話題のAIスピーカーのような会話をしてくれたり、質問に答えたりしてくれるAIシステムについてだ。

 例えば、ある企業が発売予定の新製品に関する客からの問い合わせに自動で答えてく
れる対話システムを作りたい、と考えたとしよう。しかし、発売前の製品に関する大量
の対話データなどあるはずがない。ではどうするのかというと、結局のところ、自前で
用意するしかない。しかし、適切な学習が行えるような大量のデータを用意するために
は、莫大な時間と費用が必要となる。例えば、画像認識では数千万枚の画像から学習を
行うことがもはや普通であるし、将棋・囲碁でも同じく数千万局面を用いている。で
は、対話システムのために同規模の1千万個の応答を収集することを考えてみよう。
話す内容を考える時間も含め、1応答の長さを10秒と仮定する。さて、この設定で人が
休みなく話し続けたとしても、データ収集が終わるまでには延べ約2万8千時間(=約
3年)が必要となる。あまりにも時間がかかりすぎて現実的ではない。つまり、大量の
データを用意することがコスト的に困難であるため、最新の人工知能の技術を活かすこ
とが難しいのである。

では、どうするか?

一般的には、「○○の質問に対しては、△△と答える」というようなルールを作って、それらの中から最適なものを選択して答えるようにルールを作る。このルールをたくさん作って、いくのだ。これは、1960年代からある技術であり、実用的なスピードで検索できるようになってきていて多くのシステムで活用されている。

昨今のAIスピーカーは、どうしているかというと、このルールベースに加えて、日常の雑談の情報をSNSなどで集めて、その中から、こう言われたらこう返すみたいなのを過去の履歴をさがして、いくような仕組みになっている。雑談なら、少々とぼけた反応でもAIだからしょうがないなで済んでしまう。使えば使うほどまともな返事が返ってくるようになるのだ。

家庭向けのPepper君も、最初の頃は、とんちんかんな受け答えをしていたが、3か月も付き合っていると、だんだんまともな返事ができるようになってきたとニュースで報道されていたとおりだ。

さて、人工知能を組み込んだシステムを創るとは、どういうことだろうか?

そこに切り込んだのが、次の論だ。

一般に、モノを作った場合、そのモノは、人間が使う道具であり、誰かがその道具を使って何かをする/したと考える。人工知能が組み込まれたシステムだと、そのモノが物ではなくエージェントとなる。

 たとえば、冷えた肉まんがある。ホカホカにして食べたいあなたが、お湯をわかして
蒸し器で加熱したとき、それを温めたのはあなたであって、「蒸し器が温めてくれた」
とは言わないだろう。もしあなたが「おかぁさ〜ん、肉まん温めて」と叫んだ後、ほ
かほか肉まんにかぶりついたならば、あなたは「お母さんが温めてくれた」と思うであ
ろう。それでは、あなたが「レンジ」にぽぃっといれてボタンをポンと押して温めたと
き、温めたのは誰だろうか・コンビニにあるようなシンプルなレンジだったら、「自分
で温めた」と答える人が多いだろう。だが、加熱水蒸気調理機能&オーブン・グリル付
き高機能電子レンジに「ぽいっとポン」で温めたところ、最適な温度で最適な水分を含
んだふわっふわ出来立て(風)肉まんが出てきたならば、あなたは「レンジが温めてく
れた」と思うのではないだろうか? つまり、高機能レンジのような「自動化された複
雑な機械」を使う場合、その人工物「が」自分の示した意図に沿って何かをしてくれる
というとらえ方と、自分がその人工物「を」使って実施したという考え方があり、後者
では、「自分が」活動の主体であり、人工物はたとえば自動車のように、自分の身体機
能の拡張としての道具として認識されるのに対し、前者では、電子レンジ等がエージェ
ントとして認識され、つまり「君の名は。」と問いかけることができる存在になってい
る。今対象にしている「このシステム」はどっちなんでしょうね? というのがここで
とりあげる問題である。

そして、ロボットはエージェントか?道具か?という問題がでてくる。
ホテルの受付にいて、チェックインをしてくれるのは、エージェントなのか?
人の代わりの道具なのか?

お掃除ロボットは、留守中に部屋の中をきれいに掃除してくれる。これは使っているとお利口さんロボットとなって、エージェントになってくる。

ロボットは、家の中や、建物の中でのみ活動しているならば、何か事件、殺傷事故がおきたときに、責任はだれにあるのか、はそのロボットを設置して整備している者になりそうである。

ところが、そのロボットが、屋外の公道上や空中での活動中に起きたとしたら、誰が責任をとわれるのか?

この結論はまだでていない。自動運転車や、ドローンで物流などの実験が行われているが、法的な解釈はまだないし、どの法律を適用するのか、新しい法律を作るのかも決まっていない。その時までに新しい法律ができなければ、既存の法律の中で判決がだされることになる。

「誰かの目的地」の指示によって、自律的に道を選んで動き回るようになったときにはこのような問題が発生する。

人間が運転するよりは安全にできるだろうとは思うが。










絵でわかる人工知能 明日使いたくなるキーワード68 (サイエンス・アイ新書)
SBクリエイティブ
三宅 陽一郎

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