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zoom RSS 『「読まなくてもいい本」の読書案内』

<<   作成日時 : 2018/03/17 17:06   >>

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『「読まなくてもいい本」の読書案内 〜知の最前線を5日間で探検する〜』 橘 玲 筑摩書房
いろんな本を読んできて、「はて、読まなければよかった」と思った本はどのくらいあるだろうか?

どの本にも良いところが1か所くらいはあるものだ。それでも、その本を読むのに使った貴重な時間は、返ってこない。

著者 橘氏は、時間を無駄にしないために、読まなくていい本はどんな本なのかを解説しつつ、では何を読めばいいのかを書いている。

生命の進化について、著者はこんなことを述べている

 もうひとつ強調しておかなくてはいけないのは、いちばん高い山の頂にいるのがヒトである
とはかぎらないことだ。進化の基準を知性(意識の複雑さ)に置くなら、ヒトがもっとも優れ
ているのは疑いない。だが子どもの数や繁殖度で進化の効率を測るのなら(学問的にはこちら
が主流だ)、もっとも成功した生き物はアリやハチなどの社会性昆虫になるだろう。
「進化論的に優れた生き物」を議論するよりも、すべての生き物がそれぞれの進化の頂点にい
ると考えたほうがすっきりする。進化論は、生き物には優劣も貴賤もないという”リベラル”
な科学なのだ。

進化論については、専門家による優れた本があるという。

まずは、次の3冊で必要なことはすべて書いてあるという。








次は、ゲーム理論から、複数の選択肢がある場合、どちらを選べばよりよい成績をあげられるか?という話である。

 直球とカーブの二種類を投げるピッチャーがいるとしよう。バッターは、次にどちらの球が
来るかを予想して待ち構えている。このときは、ピッチャーが直球とカーブを二分の一ずつラ
ンダムに投げ分けるのが最適な混合戦略だ。実際はピッチャーの球種はもっと多いし、高め、
低め、外角、内角のコースもあれば、三回はボールにする(ストライクゾーンの外に投げる)こ
ともできるからもっと複雑だが、コンピュータを使えば「数学的に正しい」ピッチングが計算
できるだろう。
 もっとわかりやすいのが、テニスのファーストサーブを左右どちらのコートに打つか、だ。
 右に打てば相手のフォアハンド、左に打てばバックハンドだとすると、バックハンド側を狙
った方が勝率は高そうに思えるが、当然、相手もそれを読んでリターンエースを狙うだろう。
この場合も、右と左をランダムに二分の一ずつにする混合戦略がゲーム理論的には最適解だ。
 だが、数学的に正しいからといって、テニスプレイヤーはほんとうにそんなことをしている
のだろうか。それを実際に調べてみた研究者がいる。

素人や、プロのランキングの下のほうだと、この理論は当てはまらないというが、トッププロに限定すると左右に打ち分けているという結果がでたそうだ。ただし、さすがにランダムに打つということはできていなく、前回に打った方向に影響されて、「二回右の次は左」みたいになっていたそうだ。完全にランダムに打ち分けることができたら、相手も予測できず対応に苦慮することになりそうである。

ビジネスマン向けのゲーム理論の本として





をあげている。

4章は脳科学である。人工知能ばやりの昨今は、はずすことのできない分野だ。

人工知能を創るには、実際の生物の脳とくに人間の脳がどのような働きをしているのかを科学的に解明していくことが必要である。

 コンピュータがどれほど高性能になっても意識を持たないのは、プログラムが逐次処理され
て全体が統合されていないからだ。それに対して鳥や哺乳類などは、脳内のデータ量はわずか
でもネットワークが統合されているため、その複雑さに応じて「意識」を有している。
 情報統合理論では、意識はヒトだけが特権的に持っているのではなく、ネットワークに固有
の性質なのだ。

 マッスィミーニとトノーニは統合情報理論を検証するため、意識の複雑さを計測する方法を
考案した。磁気を使って脳内の特定の部位だけを活性化し、視床−皮質系にどのような変化が
起きるのかを脳波によって調べたのだ。
 この実験は、興味深い結果を生み出した。意識のある状態では、刺激に対して大脳皮質のさ
まざまな部位が一斉に異なる反応を示す(複雑さが高い)が、睡眠中は脳波が大きく反応する
ものの、それは他の部位に広がっていかないのだ(複雑さが低い)。

意識のある人、昏睡状態の人などさまざまな状態のヒトの脳波をしらべていくことによってどんどんいろいろなことが解明されつつあるという。

そのあたりを解説した本は、

 脳科学の最先端を知るには、本書でも参考にしたクリストフ・コッホ(フランシス・クリックの共同研究
者)の『意識をめぐる冒険』(岩波書店)、意識の統合情報理論の主導者であるマルチェッロ・マッスィミ
ーニ、ジュリオ・トノーニ自身が一般向けに解説した『意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報
理論』(亜紀書房)が読みやすい。意識の計測を含む脳科学のテクノロジーがどこまで進歩しているかは、
アメリカの物理学者ミチオ・カクの『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』(NKH出
版)を。








とのことだ。

本書最後のテーマは「功利主義」で、こちらもおもしろい話が一杯なのであるが、長くなるので、このくらいにしておく。

いずれにしても、過去にどんなに沢山売れた本であっても、そこに書かれた内容が、古いパラダイムで書かれたものであるなら、時間をかけて読む価値がないという。より新しいパラダイムで書かれた本を読んでおけばいいということだ。古いパラダイムで書かれた本を読むのは、その分野の専門家が過去にどんな過ちをしているのか調べるときでよく、一般的な知的好奇心で他分野の情報を得るには必要なくなっているということだ。

では、どうやって古いパラダイムで書かれた本なのかを知ればいいのだろうか。
本書も、その一つだとは思うが、ここで取り上げられていない分野だったら、さてどうするか。





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