『イタリアからの手紙』

『イタリアからの手紙』 塩野 七生 新潮文庫
 イタリアのローマもヨーロッパの古くからある街である。日本なら古都 京都みたいなところだろうか?

 本書の最初のエッセーは「カイロから来た男」である。ローマの美術館でお気に入りの古代ギリシャの浮彫りを見にいったら、普段は誰もいない浮彫りの前に40歳近い男がたたずんでいた。そして、どういう切っ掛けかその男と話をして、その男がカイロでの仕事が済んで日本へ帰る前にヨーロッパを回っているということを知る。夕方まで会話していた二人は、美術館の外の広場で名前も聞かず別れ、それ以来合っていない。その後、歴史読物を書き始めた著者は、ここで合った男を読者と想定していたらしい。そんなでだしで始まるのがこのエッセイだ。

 数節読み進むとローマの下水道にはネズミが住み着いていて、掃除をしなければいけないという話がでてくる。ローマ市議会で掃除をどうするか議論されたようであるが、結局、掃除は実施されずにそのままになったらしい。二千年もの間使われてきている下水道をいまさらきれいにする必要は無いというのが結論だったようだ。

 ヨーロッパの国々の建築は、石でできており、メンテナンスをしていれば、千年でも長持ちするようだ。中世の古いお城なんかも沢山残っていて、今もちゃんと住んでいるようだ。
 一方、日本は紙と木造の建築が多く、メンテナンスしても数十年しかもたない。何でも「数十年しかもたなくてもいい」という考えが蔓延しているせいか、公共の道路でも公園でもそれほど長く持たないような設計がされているように思えてならない。
 震災と構造不況の経済はかなりキツイ状態であるが、長持ちして長く使った方がトータルのコストが安くなるというようにならないものだろうか?






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