『仕事で大事なことは『坂の上の雲』が教えてくれた』

『仕事で大事なことは『坂の上の雲』が教えてくれた』 古川 裕倫 知的生きかた文庫
 激動の時代を生き残るには、歴史上の人物が激動の時代にあって、如何に生きたかを知る事が参考になる。

 明治維新から日清戦争、日露戦争と生きてきた人々を描いた「坂の上の雲」からここで活躍した男たちが何を考え、どう行動したかを解き明かして、現代のビジネスの参考にしていこうというのが本書だ。

32項の中から幾つか紹介してみたい。まずは第7項

7--「メンター」を持つ
「人間は友をえらばんといけんぞな。日本には羯南翁がいて、その下には
羯南翁に似たひとがたくさんいる。正しくて学問のできた人が多いのじゃが、
こういうひとびとをまわりに持つ
のと、持たんのとでは、一生がちご
うてくるぞな」

                          正岡子規

この後、著者は、物語の中のストーリーの解説をしながら意味を説いているが、そこははしょって。著者はこう結んでいる。

□「自分」は誰のメンターであるか?
 講演や研修をさせていただく際に、私から「皆さんにメンターはいますか」と質問
することがある。若い人だとパラパラと手が挙がり、中間管理職であると「それは当
たり前ですよ」というような顔をして大半の人が答えてくださる。
「では、あなたをメンターだという後輩がいる人は?」と尋ねると、中間管理職でも
ほんのわずかしか挙手がない。遠慮もあるのかもしれないが、部下育成を熱心に推進
している企業においてもそのような現状であるようだ。
 自分にはメンターがいるが、自分は後輩に対してその役割を果たしていないのであ
れば、それは情けないことだと思う。
 どこまでできているかは疑問だが、私の信条は「世の中は順送り」である。先人、
先輩から受けた教えを後世に伝える。それが、先人・先輩への恩返しにもなると考え
ている。これもまた、先ほどの最初のメンターに教えられたことだ。
 人生は短く、人がひとりで成し遂げられることは少ない。だが、そうして「順送
り」する中で、少しでも自分なりのプラスαをつけることができれば、それは好古の
いう「一事」とまではいかなくても、自分が生きた証になるのではないだろうか。

 メンターを持つという事。そして、誰かのメンターになれるよう日々努力する事。先輩から後輩へと「順送り」を続ける事。これが、何代も続けば伝統になってくる。
 先週、四万温泉の帰り道、渋川で寄り道して「水沢うどん」を食べてきた。水沢観音のあるところの近くに水沢のきれいな水を使って作る旨いうどん屋が並んでいる。私は「清水屋」のゴマダレの味が好きだ。親子代々秘伝の製法でうどんとタレをつくり、誰も弟子を取らない。故に支店も分家もない。ここに行かなければ食べられないうどんだ。
 こういう1対1の伝承もあるし、1対多とか、多対多のメンターと被メンターの関係というものもあるだろう。

 さて、話を『坂の上の雲』に戻そう。第30項も紹介しておきたい。リーダーはこうありたいものとしての一言だ。

30--「何が一番大事か」を見極める
「かならずこれを撃滅いたします」
                          東郷平八郎
□弱点に力を注ぐ、という克服法
 東郷は、「海戦の要諦は、砲弾を敵よりも多く命中させる以外にはない」という基本
方針を持ち、戦略も戦術もこの一点に集中させた。一方で「弾というものは、容易に
あたるものではない」とも考えていたため、射撃訓練に最も力を注いだ。

著者の経験を次のように紹介している。

 私も商社でカケダシだった頃、上司から、
「何が一番大事か」
「大事なことをひとつだけ言え」
 と教育されたものだ。毎日のようにこれを考えていると、だんだん見えてくるようにな
ってくる。
 何が一番大事か、これを常に自ら考えることだ。目標の設定、実行策の立案、行動
の順序、問題解決の手順などすべての場面で何が一番大事かを常に把握しておけば、
まず決定的な間違いにはならない。
 自分自身のことについても、何が一番大事かを考えれば、今何をしなければならな
いかがわかってくる。

 「今、何が一番大事か」激動の時代では、未来は常に揺れ動いている。今日、一番大事な事も明日には、来月には二番、三番になっているかも知れない。それでも今、一番大事なことは何かを考える習慣が大切だと思う。
囲碁の格言を引用すれば、「大場より急場」「着眼大局着手小局」「かなめ石は捨てるべからず」など、一番大事な所を押さえておけば、何事にも負けないという事になる。






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