『SAP 会社を、社会を、世界を変えるシンプル・イノベーター』

『SAP 会社を、社会を、世界を変えるシンプル・イノベーター』 日経BPビジョナリー経営研究所 編 日経BP社
昨今のはやりものにビッグデータというのがあるが、もう少し広げて、データマネジメントが世の中を動かしつつある。

この世界のデータを分析するエンジニアにデータサイエンティストという人々がいるが、世の中ありこちでデータ分析がはやりだすと、このデータサイエンティストも不足してくる。エンジニアが不足するとどうなるかというと、エンジニアの代わりを人口知能に任せようという方向になって、さらには、プログラミングしなくても勝手に解釈してくれる人口知能というのができてくる。本書には、SAP社が作りだした技術が紹介されている。

機械学習によって仮説検証を自動化
 この「データサイエンティスト信仰とも呼ぶべきブームに対し、テクノロジーをもっ
て一石を投じているのが、予測分析ツール「SAP InfiniteInsight(インフィニット・イン
サイト)」である。このツールの大きな特徴は、「機械学習」という技術によって、データ
分析のプロセスの大半を自動化し、データサイエンティスト要らずを実現していることで
ある。
 機械学習とは、データモデルや予測式などを作り出す技術である。通常のデータ分析で
は、データサイエンティストなどが仮説を立て、それに基づいてモデルを作成し、分析ツ
ールでデータを処理する。データ間の相関関係など何らかの結果を得るまでは、仮設の立
案と検証を繰り返す。機械学習は、この仮説検証の作業を自動化してくれる。

機械学習というのは、面白いもので、データをどんどんコンピュータに取り込ませるとデータとデータの関係を勝手に解釈していくのだ。Googleなんかでも実験をしていて、学習した状態で、1枚のネコの写真を読み込ませるとその写真に写っているのがネコだと自動的に認識するのだ。

 将棋のコンピュータプログラムでも、機械学習の仕組みを取り入れて格段に強くなったという。ある局面になると、その局面が、自分に有利なのか、不利なのかを判断し、さらに、次にどのような手を打てば、自分の有利さが増し、相手の不利さが増えるのかを判断できるという。中盤で、まだ読み切りで詰まない場合に、有利、不利の判断が適切に判断できればプログラムは強くなる。

さて、本書は、マーケティングについても触れられている。マーケティングをシンプルにするときの考慮点として「デジタルマーケティングの5大特徴」がある。
その立役者がスマホである。

 とくにスマートフォンが世の中に与えたインパクトは、実は極めて大きい。スマホは人
類史上初めて「こちら側」、つまりわれわれ個人の懐に直接入り込んだデジタル機器なのだ。
 スマホが登場する以前、ウェブページを参照したり、メールを送受信したりするなど、
デジタルな情報をやり取りするには、わざわざパソコンの前まで「行き」、電源を「入れ」、
ネットに「接続する」、というステップが必要だった。つまり、「あちら側」に行かなけれ
ばデジタルな情報には触れられなかったのである。
 ところが、スマホは、①電話がかかってくることがあるので常時、電源はオン。②外出中
も携帯し、いつでも取り出せる場所にある。③家族間でも共有することはまずない。つま
り個人と一対一で紐づいている。④情報がプッシュ通知で送られてくることに消費者が
慣れている。⑤しかも、すべてのコストは消費者持ち(スマホ本体もパケット接続料も)。
つまり、われわれがITの側へ行くのでなく、ITが常時「こちら側」にあるのだ。これ
は人類史上、いまだかつてなかった状態である。

こういう時代にあって、デジタルの5大特徴が

①無料、②無制限、③リアルタイム、④パーソナライゼーション、⑤分析可能

というのだ。そして

いま成功しているデジタルマーケティングは必ず、この5大特徴を活用している。

という。逆にいうと、これらの特徴を生かしたマーケティングを行っていかないとマーケティング効果がでず、今後の企業の生き残りにおいていかれるということかも知れない。インターネットを使って情報を発信し、インターネットを活用して商品を販売していく。インターネットの仮想空間でのマーケティングと従来の形の対面販売や通信販売を併用して、商品によっては、バランスを取りながら販売していかなければならない。販売した後のアフターサービスであってもインターネット経由でのサービスが必要になる。商品の使い方の説明、Q&Aのみならず、リアルタイムのチャット(会話)まで、できるように対応していくのだ。

 アメリカの会社のサイトで商品を調べていると小さなウィンドウがポップアップして「何かご質問はありませんか?」と問うてくる。ポップアップされた画面の向う側にはオペレータがいて、質問を入力すると答えてくれる。一見、あなたの為にポップアップがでて、あなたが質問してくるのをじっとまっているように感じられるのだが、相手は数百、数千人の人たちにこのポップアップを表示させて、誰かが質問してくるのを待っているのだ。沢山の方がウェブサイトを見に来ていても質問する人はごくわずかなので、こういう仕組みができるのだ。そして、簡単な質問だとしたら、答えてくれているのがオペレータではなく、人工知能かも知れないという時代になってきている。アメリカのクイズ番組で人工知能が人間の優勝者を破る時代なのだから。

そのサイトを訪れた人が何のためにきているのか、何を知りたがっているのかを知り、自社の商品を販売するチャンスにする為にウェブの閲覧記録を分析する。あなた見ているサイトの前には、どのサイトに行っていたのか、競合メーカのサイトにいたのか、そんなことまで分析されてしまう時代がきているのだ。特定の個人を決定しなければマーケティングできないわけではない。ユニークなPCのIDやIPアドレスだったり、スマホのIPアドレスだったり、この人がどんな特性、特徴、行動をしやすいかを分析することができるようになってきている。

ベネッセが、個人情報を流出させ、ビジネスモデルを変えざるを得なくなった。個人の住所や氏名を特定しなくても教材を購入してもらえるビジネスモデルを作ったという。小売店の店頭でIDとパスワードの入った教材を購入するとネットのウェブサイトで教材を見れるというものだ。利用者は、個人情報をベネッセに届ける必要がない。ベネッセはリスクのある個人情報を管理しなくてもいい。今までにないビジネスモデルができた。知恵を出せば、今までにないものが生まれる。






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