『人体 失敗の進化史』

『人体 失敗の進化史』 遠藤 秀紀 光文社新書
たまたま、生物についての本を読みたくなって見つけた1冊。

生物の進化の話から人体について語っている。

著者は、様々な動物の死体を解剖して、どう発達してきたかを調べ、人間の系統にいたる経緯をさぐっている。

例えば、ペットによく飼っているワンちゃんの鎖骨についてこんなことをかいている。

 ニワトリでもあなたでも、鎖骨はそれなりに発達しているので、あえて語らずにきた。だ
が、たとえば、あなたの家ではイヌを飼ってはいないだろうか。もし大好きなワンちゃんが
身近に居るなら、彼ないし彼女には鎖骨など存在しないという事実を、知っておいたらよい
かもしれない。実にこれはまた、イヌの仲間に起こったひとつの設計変更といえるだろう。
左様、イヌは前肢帯のパーツ群から、鎖骨を不要のものとして削ってしまったのだ。
 ワンちゃんのご機嫌を取りつつ、ちょっと試してみてほしい。首筋の表面をずっと触って
いくと、前足が現れる少し前の部分で、皮膚の下にコリコリとした動く塊に出会う可能性が
ある。ある程度大きな10キロ以上はあるイヌが分かりやすいだろうが。いわれてもなかな
か気づかないような、皮下のコリコリ。正体は鎖骨画と呼ばれる、鎖骨の痕跡だ。といって
もすでに鎖骨たる骨の姿はどこにもなく、ただ、頭から腕に伸びる長い筋肉の中に生じてく
る、繊維と軟骨の小塊だ。しかし、これこそ、イヌの歴史に追い詰められていった鎖骨が見
せる、断末魔の叫びだといえるだろう。
 身体の歴史を知ろうとするときにもっとも大事な情報は、往々にして、こんな目立たない
ところに隠されているものだ。そして、こうした情報は、たくさんの遺体を扱って初めて発
見されてくる科学的事実なのである。

小型犬だと小さすぎてわからないな。

リリーの首から下に両方からなでたら、ひーと泣かれてしまった。

動物が他の動物に進化する過程で、あるものが別の物に代わってしまうことが頻繁に起こっているという。新しいものが生まれ、そして退化していって、最終的に今の人の構造に辿りついているということだ。

魚が、地上に上がったときに肺ができた。

 ハイギョたちは、もともと比重調節に使っていた鰾を本格的呼吸装置に抜擢したのだ。鰾
は、実をいえば、消化管の近辺からムニュムニュムニュという感じで膨れ上がる軟らかい袋
であることが知られている。口から直接ガス状の酸素をこの袋に取り込めば、あとは血流中
に酸素を透過させることができるのである。
 誤解ないように指摘するなら、ハイギョ自身が地上を歩き出して私たちの祖先になったわ
けではない。また、太古のハイギョは現在のものとはかなり姿も異なり、干上がるような河
川ではなく、海に暮らしていたとされている。つまりは、すでに語ったように、同じ肉鰭類
でもハイギョとは異なり、ユーステノプテロンに程近いグループから、陸棲生活が生み出さ
れたと考えなければならない。しかし、おそらくはハイギョのように、魚でありながら鰓を
使えない状況に追い込まれた連中が、鰾を肺としてつかっていくという。革命的な機能の変
換を起こしたことは間違いないだろう。

難しい漢字が並んでいて意味がとれないといけないので、読みを書いておくと
 鰾:うきぶくろ
 鰓:えら
である。フナの解剖とかで大抵でてくるものである。

鰾から肺をつくるなんて、あまり想像できないが、空気が入っていて、その空気が血管の中と行き来するようになると、さらに表面積を拡大していって、毛細血管が張り巡らされブタになるとほぼ人間と同じくらいの構造をもっているという。

空を飛んでいる鳥についても

 いま空を制覇している鳥もコウモリもそして大先輩の翼竜も、神や仏から特別扱いで翼を
新規設計してもらったわけではない。毛生え薬で文字通り毛が生える程度の設計変更で、羽
毛ができてしまったのかもしれない。モグラの先祖が間違って指を長くしたら、空を飛べて
しまったのかもしれない。爬虫類のなかのちょっとだけ薬指の長い変わり種が、いつのまに
か中生代のそら”掌中”にしたのかもしれない。そんな戯言を洩らしながら、いくら背伸び
をしても空を飛ぶことのできない解剖学者は、彼らの身体をバラバラにすることで、栄誉あ
る翼を見事に失墜せしめる。翼に神様の創造的意匠など何もないことを語っては、酸っぱい
葡萄の喩えのごとく、人類普遍の大空への憧れを学問の論理で封じ込めていくのが、私の仕
事だ。鳥やコウモリの遺体を解剖してみれば、翼とて、ただ四肢を場当たり的に設計変更し
た、動物によくあるパーツの連なりに過ぎない。

骨格全体を一体化して、骨と骨を繋いで可動部分を少なくして、その分の筋肉も減らして胴体部分を軽量化した。そして次に羽を作り出し、軽くても空気を捕えて浮力を作り出す。

そうした設計変更を繰り返して、動物は進化した。

人間も、これからも設計変更をしていったりするのだろうか?

ウェアラブルの通信機器なんかは、もしかしたら設計変更の一つになるのかも知れない。

埋め込み型のIoTチップで脳からの指令が直接ネットワークにつながって情報を検索したり機器を制御できるようになる日が来そうである。

テレパシーができるように進化するということもあるだろうか?
通信機能がDNAに埋めこまれるなんてSFかな。






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