『AIに心は宿るのか』

『AIに心は宿るのか』 松原 仁 インターナショナル新書
心については、医学の分野としても、まだまだ解明できていないことが多いと思われる。

ましてや、人工的に心を作り出すことができるかは難しいように感じる。

それでも、大規模な人間のニューロンの数ほどのニューラルネットワークを作れるようになったら、そこに心は生まれるかもしれない。

心の前に、将棋AIの話であるが、羽生さんと松原さんの対談から

羽生
 そうは言っても、やはり人間の将棋とコンピュータの将棋は本質的に異なるものですか
ら、これから新しい発想に出会う可能性はあると思います。たとえば「歩を交換して一歩
持つ」というのは、人間の感覚からすれば非常に価値の高い手です。だから人間の棋士は
序盤などで必ず一手費やしてその一歩を交換する手を指すのですが、なぜかAIではその
手の評価が低い、少なくとも高くはない。それをマネしている人間の棋士が増えてきてい
ることもあって、そこに新たな価値観のようなものが生まれているのかもしれません。ま
あ、正しいかどうかは分からないけれど、人間が今まで「正しい」と思っていた揺るぎな
い価値観のようなものが、変えられることはあるかもしれないですね。
松原 たしかにAIは、まったく歩の交換を気にしませんね。要するに人間同士であれば
「銀上がって歩の交換を防ぐ」といった場面でも平気で防がずに違うことをしますよね。
少なくとも「一歩持たせる」のを悪いことだと思っていない。
 とはいえAIの学習の結果なので、何か深い理由があるのかもしれませんけどね。分か
らないですね。私が見ていても、AIの特徴的な行動だと思います。

AIが多数の対局を自動的に行って、人間では一生かかってもできない数の対局を行うなかで、新しい価値観というのができ上ってきた例だと言える。

人間の歴史で、人間が体験してきた経験の蓄積よりも多くをAIはコンピュータの中で体験することができる。それが、人間に新しい価値観をもたらすのだ。

決まりきったルールの下で、目標の定まったことをするときに、どうやって達成するかを見つけ出すのは、解決させやすい問題である。

しかし、

羽生 たとえば「ウォズニアックテスト」と呼ばれているような、「知らない人の家でコ
ーヒーをつくる」といったタスクですよね。
 こうしたタスクを難しくさせているのは何なのでしょう? 人間なら誰でもできること
がコンピュータにとって難しいというのは、理由があるはずですよね?
松原 現在のAIは、行動の「あたりをつける」ことができないのが、大きな課題です。
 たとえば人間であれば、他人の家に行っても、そこがマンションであれば、だいたいの
間取りが分かります。キッチンにたどり着くことも容易でしょう。コーヒーメーカーも、
だいたい水回りの近くに置いてあるものということを知っているので、容易に見つけ出す
ことができます。そこが自分の家でなくても、だいたいの”あたり”をつけて行動するこ
とができる。
 しかしAIは、今からしようとしているタスクに関係性のあることだけを、周囲の環境
から抜き出して認識することができません。これは「フレーム問題」と言われています。
羽生 今のAIを搭載した人間型ロボットが部屋に入るとどんな行動をするのでしょう?
松原 まず最初の一時間ぐらいは空き巣さながらに家中を歩き回り(笑)、どこに何があ
るのかの”地図”をつくることになるでしょう。一通り気が済んだら、おもむろにコーヒ
ーを入れ始めようとするでしょうね。
 こうしたプロセスを踏まなければ、ミスをして何かを壊してしまったり、部屋の配置を
変えてしまったりする可能性があり、危険なものになります。

人間の家にロボットが入った時に、家の中を認識する画像認識の技術の向上も必要だと言う。
照明が暗かったりすれば、より認識精度は落ちてしまう。人間とはことなって、ロボットの場合に画像だけでなく、LiDARのようなもので空間認識をしていくというのもありだと思う。

そうした場合にもそこにあるものが動かせるものなのかどうかの判断もできるようにならなければいけない。キッチンの場所がわかったとしても、そこの通路をたまたま椅子がふさいでいたとしたら、その椅子が動かせるものでテーブルの下に入れれば、通路が空くということを判断できなければいけない。

 そこにある物がどういうもので、その物がどういう機能を持っているのかを理解していなければ、本来動かないものを動かそうとして、結果、壊してしまうかもしれない。

松原氏は、AI、ロボットとの将来について次のように述べている。

 AI、ロボットとの融合によって、ある人は不可能と思われていたことを克服し、また
ある人は可能性のフロンティアに挑む。未来ではそうした新たな人類「ポスト・ヒューマ
ン」による、まったく新しい社会が生まれていくと私は考えています。
 私がしなやかな楽観論者としていられるのは、日本人の研究者であることが大きいと思
います。人類は現在まで、知性において自らを超えたものは神しかしらないわけですから、
AIに対しても、まさに神に相対するのと同じように反応するのだと思います。それゆえ、
AIやシンギュラリティの捉え方には、その国の宗教観が色濃く反映されるものなのです。
 日本はアニミズム(自然界の諸事物に霊魂・神性の存在を認める信仰)の国です。西洋のよう
に神を超越者として人間と分けて考えるのではなく、神を常に生活の近くに置き、寄り添
って暮らしてきた歴史を私たちは持っています。東洋思想の日本人は、西洋とは違う考え
方で、AIやシンギュラリティを捉え、協調していけると私は考えています。

ある講演会で、人と神と物、AIの関係を図示していたのを思い出した。

①人や物の上に神が位置していた
②下からAIが現れた
③人と物とAIが並び、神が上にたつ
最後に
④AIが上に来て、人、物、神の上にAIが存在するようになる。

こんな図を描いていた。

そういう世界よりも、人とAIが強調して存在する時間がかなり長く続くのだろうと思われる。

そして、AIが上に立つ前に、地球環境が変化していくのではないか。
環境の変化が人間にとって最大の課題になる。
それをコントロールするためにAIが活躍するのではないか。

そんな未来を思ったが、何百年先か何千年先かの話かも知れない。

今日は、スター・ウォーズの日。
スター・ウォーズの世界が、現実になる日は、まだまだやってこない。






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