『おいしいフランス極上の素材を訪ねる』

『おいしいフランス極上の素材を訪ねる』 相原 由美子 岩波アクティブ新書
EUとの貿易協定によって、輸入品の税金が安くなっている。

フランスからの輸入品もワインやチーズ以外にも広がってきているようだ。

フランスに住んで現地を取材した著者のお勧めのフランス食材の旅である。

まずは、モリーユ(アミガサタケ)

 フランスの唯一のモリーユ産地である、ジュラ地方に行った。
「ジュラシック・パーク」という大ヒットした映画のあのジュラシック、つまりジュラ
紀のジュラとは、フランスとスイスにまたがる山岳地方の名前である。二億年から一億四
四〇〇万年前の、恐竜が繁栄していた時代の地層が、このジュラ地方で見つかったところ
からジュラ紀と名前がついたようだ。大変に古い地層のある、フランス一の大森林地帯で、
野生の茸の天国である。土地の人は気軽に茸採りに出かける。残念
ながらこの地方の茸が他の地方に出回ることはほとんどない。生を
食べようと思ったら、絶対ジュラ地方に行かなければだめなのがモ
リーユ。ただし、産地といえども期間限定、つまり旬が三週間くら
いしかない。

茸は、環境があわないと生えてこない。なかなか栽培が簡単にはいかないようだ。
シイタケやエノキだけ、エリンギなど栽培に成功したものもあるが、そうでないものは貴重品だ。

さて、次はバター

 小さいころとっても好きだったのが、虎が三頭、大木の
周りをものすごい速さで回って、とうとう溶けてバターに
なってしまった話。溶けかかったクリーム色のバターをた
っぷり使って、少年のお母さんがホットケーキをたくさん
焼いてくれる。絵本だったが、その場面だけを何度も何度
も繰り返して読んだ。描かれてあった絵より、自分で想像
したイメージがあまりに強烈で、いまだに忘れがたい。バターをかじるのが大好きな子供
だったので、どうやって食べようかと虎のバターの味をあれこれと空想したものだった。
空想の中のバターはいつも柔らかく、なぜか甘かった。

フランスのバターというとエシレのバター

 ここでエシレのバターに戻ろう。エシレ村はパリから南西のボルドー方向に400キロ
ほどの二オールという町の郊外にある。ポワトゥ・シャラント地方ドゥー・セーヴル県だ
が、ドゥー・セーヴル川(二本のセーヴル川の意)のうちの一本、セーヴル・ニオルテーズ川
(ニオールのセーヴル川)のほとりにある。

もともとこの地方は、ワインのブドウの栽培をしていたが、19世紀末のフランス全土を襲った寄生虫の害で、ブドウの木が全滅してしまったという。その後に始めたのが、牧畜でホルスタイン種の牛を飼っているそうだ。

「エシレのバターは二〇世紀初めには
おいしいと評判になりました。でも、なぜだろう。牛は白に黒い斑点の、
どこにでもいるホルスタイン種にすぎませんからね。いろいろ調べてやっとわかり
ました。この地方の、石灰分の多い土壌に生えた牧草で育った牛が、乳脂肪の多いすばら
しい乳を出しているということが」

小さい工場でいつも新鮮なバターを出荷する。工場でつくるところからではなく、牛から搾ったあと、24時間以内に出荷されて、工場に持ち込まれてすぐに加工される。

こうした工程管理が、おいしさの秘密だともいう。

さて美食の街リヨン

「リヨンには三つの川が流れている。ローヌ川
とソーヌ川とボジョレーだ」。これは『水車小
屋だより』を書いたアルフォンス・ドーデの息子
のジャーナリストのレオン・ドーテが言った、リ
ヨン人の大好きな言葉だ。リヨンで何度聞かされ
たことだろう。こう聞くと、リヨンは美食に大量
のワインが組み合わさった楽園かもしれない。大
きな川が二本流れる間で人々がディオニソス的な
饗宴を開くのを想像してしまう。

おお、ボジョレーか。

そうそう、今週はボジョレー・ヌーボーが解禁になった。
ひところに比べれば、輸入高も半減したそうだが、ヌーボーは、お祝いみたいなものだから、そんなに年中味わうものではないので、数日過ぎれば、値段が高いので、他のでいいやとなる。空輸しているせいか、値段は相変わらず高いと思う。
お正月の祝いのマークの入った酒みたいなものだ。

いろんな食材がでてくるのだが、最後はフォアグラ

 そのフォア・グラだが、フォアはレバー、グラは脂肪のついた、肥大したという意味で、
脂肪を蓄え通常の5~10倍にも大きくなった肝臓のこと。鴨や鵞鳥を特別に肥育し、そ
のレバーを賞味するのである。フランスが世界に誇る産物だ。鴨も鵞鳥も雁の仲間、元は
と言えば水辺に棲む渡り鳥だったそうで、その鳥の肝臓を肥大させ、そこだけ食べようと
考えたのは一体だれなのだろうか。太古の狩人たちだろうか。彼らは経験的に、秋に川の
岸辺にたくさん群れている鴨たちが、急に食欲旺盛になって太り始めたなと観察している
うちに大挙してどこかへ飛んで行き、翌春やせて戻るということを知っていたらしい。な
らば、秋に太った鳥を捕えればいいのではないか。実際捕えてみると体に脂肪を蓄えてい
て、肉も美味だが、特に肝臓はとろけそうなおいしさだった。
 やせて戻った鳥より、太った鳥を食べる。ここまでは大概の人が考えつくだろう。しか
し、この脂肪のついた肝臓を自分たちで作り出せないか、では無理にでもたくさん食べさ
せればよいと思いついた人は天才である。一人なの
か、集団なのか、いつの時代なのかまったくわから
ないが、美食の功労者だ。

他の渡り鳥でも同じように、どんどん食べさせれば肝臓が大きくなるのか?
渡り鳥以外には、そういうことはおきないのか?

それにしても、フォア・グラは魅力的である。






ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 51

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント

2019年11月24日 10:53
こんにちは

フランスの極上の素材ですか。
あまり縁がないです。
バター、大好きなんで食べてみたいです。