『リーダーシップの旅』

『リーダーシップの旅 ~見えないものを見る~』 野田 智義,金井 壽宏 光文社新書
組織の上に立っているからリーダーだとは限らないという。

この本を読んで、あらためてリーダーシップとは何なのか考えさせられた。

 リーダーシップの帰属理論は、ワシントン大学のT・R・ミッチェルや、さらにさかのぼ
ればノースウェスタン大学(該当する論文の発表当時)のB・J・コールダーによって構築
された。リーダーの言動を見たフォロワーが、その言動と成果につながりを見出し、成果が
リーダーのおかげだと感じ始めた時、リーダーたる人物に、フォロワーたちと相互接触する
場におけるリーダーシップが帰属されるという考え方だ。
 この説では、リーダーシップはリーダーの中に存在するというよりも、リーダーとフォロ
ワーの間に生じる社会的現象であり、ダイナミックなプロセスだ。リーダーの言動を見て、
フォロワーの大半がそれをどのように意味づけるかというプロセスの中に、リーダーシップ
は存在する。リーダーの影響力が行使されるには、フォロワーが「喜んでついてくる」こと
が不可欠の条件となる。そう考えると、少し変な言い方になるが、リーダーシップはかなり
の程度、フォロワーの側にあるとも言える。--金井

フォロワーがいるから、リーダーがリーダーシップを発揮しているという。
逆に言うとフォロワーのつかないリーダーシップというのはないということになる。
皆を先導していくからリーダーシップを持っているという。

ではフォロワーは、そのリーダーの何に惹かれているのだろうか?

 ところで、日本で企業や組織のトップに「リーダーシップとは?」と尋ねると、「リーダ
ーはフォロワーを束ね、ベクトルを合わせて、求められる方向に導く」といった答えがしば
しば返ってくる。そうした答えに、私はリーダーシップとマネジメントの混同を感じてしま
う。ヒエラルキーの中では、リーダーシップではなくマネジメントが日常的に機能する。マ
ネジメントをあえて極端に概念化すれば、目標達成や問題解決のために手順を組み、経営資
源を配分すると同時に、人員を配置し、進捗を監督すること。上位に位置する人が下位に
位置する人を権限で統率し、組織を統制していくことだ。--野田

トップになった後で、リーダーシップを考えることの多い日本のトップは、自分についてくる部下は、自分がリーダーだからついてきてくれていると誤解しているらしい。

マネジメントのトップだから従っているだけで喜んでついて行っている部下はそんなに多くはないのではないかと著者は疑問を呈している。

リーダーシップを発揮している人は、部下ではなくても、同僚も、上司も喜んでそのリーダーについていくというのだ。

縦社会のマネジメントではなく、縦横からいろんな人が勝手に集まってきてプロジェクトチームを作っていく、その時に中心になって、先頭を率いて動いている人がリーダーである。


……周囲からの信用による呪縛と、自分が本当にやりたいことへの思
いが葛藤を生む時、リーダーに結果としてなる人は、自らの価値尺度によって決断を行い、
その状況を超克しようとする。この超克には、痛みを感じつつも何かを選択する感覚が必ず
伴う。
 この痛みを恐れ、組織の中で信用をかち取りながらも、自我を抑えつけていると、『スタ
ー・ウォーズ』のダース・ベイダーのように、ついには機械の一部のような存在になってし
まう。ルーク・スカイウォーカーは旅に出たが、その父アナキンは旅に出られなかった。こ
れがルークとベイダーの運命をまったく違うものにしたのだ。
 ここで、読者の皆さんには、もう一度、沼地のメタファーを想起してもらいたい。
 じめじめした沼地を渡り、深い森を抜けて、青い空を見たいという思い(夢と志)がリー
ド・ザ・セルフ、旅の出発点となる。もちろん沼を渡ろうとする前に、ある程度の深さぐら
いは推測した方がいい、装備もそろえた方がいい。いざと言うときにおぼれないためには、
体力を鍛え、水泳法もマスターすべきかもしれない。知識やスキルはあるに越したことはな
い。
 しかし、知識やスキルだけでは、決して沼地は渡れない。最初の一歩を沼地に踏み入れな
ければ、何も始まらないからだ。そして、その時に絶対やってはいけないことがある。それ
は打算だ。このまま村に残り、村人たちの信用を得るような行動をとり続ければ、いずれは
村長の娘と結婚でき、そうすれば村の中でそれなりの地位を確保できる、うまくいけば、次
の村長になれるかもしれないといった計算だ。沼を抜ける喜びと、現状のまま信用を積み重
ねていけば後で手に入りそうな喜びとを天秤にかけてしまうと、もう旅には出られなくなる。
前者は不確実性とリスクに満ちているし、後者はこれまでの実績による裏づけがあるからだ。
天秤は、必然的に後者に傾く。--野田

これまでの実績や信用を一度捨てなければ、新しいことに挑戦していくことはできない。

挑戦していかないものは、リーダーにはなり得ないということなのだろう。

インテルの創業者のアンディ・グローブは時代の変曲点を読む重要性を指摘しているという。

 しかし、変曲点はたやすく読めたりするものだろうか。
 私が大好きなリーダーに、日本で初めて本格的なオンライン株取引を始めた松井証券の松
井道夫さんがいる。老舗の小さな証券会社を婿養子として継ぎ、社内の反発を押し切って外
交セールス、コールセンターを廃止して、すべての取引をインターネットに切り替えること
で会社を急成長させた人物だ。経営者としての松井さんは、舌鋒鋭い論客にして心優しく繊
細な「偽悪者」でもある。
 それはともかく、ある時、私は安易にも松井さんに「一体どうやって時代の変曲点を読む
のですか」と聞いた。松井さんは「変曲点なんて読めない。ものすごい葛藤、血反吐を吐く
ような思いの中、不安にかられながら決断するんですよ」と答え、こう続けた。「唯一の方
法は歴史から学ぶこと。自分が生きている今とという時代を歴史の流れの中でとらえ、未来に
思いを馳せるのです」と。
「歴史は繰り返す」といったあるふれた教訓ではなく、人間の営みがつくり出すもの、そこ
いおける進化の方向性を読み解く重要性を、松井さんは言いたかったのだろう。おそらく松
井さんは証券会社のトップとして、市場というものがどのようにして生まれたか、人間社会
のためにどんな役割を果たしてきたかを、歴史を学びながら深く考えていたはずだ。だから
こそ、マーケットを媒介として個人と個人が直接結びついていくネット民主主義の到来を、
インターネットのインパクトに読み取ることができたのではないかと思う。私たちは構想力
などと一言で片付けてしまいがちだけれど、金井さんが言及するように、その背景に広がる
奥深さに目を向ける必要がある。--野田

まだ見えぬものに、向かって、決断して、会社を率いていく。

若手の二代目、三代目の社長とか、周りの役員は皆年上で、先代の社長に従うものたち、その中で、新しいことをやり抜くリーダーは存在する。

戦って勝ち抜いたものは、日の目を見る。残念ながら勝ち抜けなかったものは目立つことなく消えていく。
勝ち残ったものだけがリーダーなのか?

本書の最初の方に、リーダーシップとは、勝ち残った者に後からつけるものだとも書かれている。
勝ち残れなかったもの達にはリーダーシップは無かったのだろうか。

勝ち残れなかったということは、フォロワーも含めて残れなかったということになる。
勝てなくなるとフォロワーもいなくなる。

理解するには、まだまだ、奥が深そうだ。






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この記事へのコメント

2020年03月16日 12:02
こんにちは

リーダーシップ。。。
つけなければならい能力です。
勉強します。