『競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』

『競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』 フレッド・クロフォード, ライアン・マシューズ イースト・プレス
ファイブ・ウェイというので5つの道があるのかと思ったら、道筋とは少し違った。

まずは序文から

 ファイブ・ウェイ・ポジショニングのレンズを通して世の中を見ると、とびきり優れた企
業が、どんな戦略を取っているかが見えてくる。彼らは、価格、サービス、アクセス、商品、
経験価値の5つの要素のうち1つで「市場を支配」し(世界で通用するレベルに達している)、
もう1つの要素で「差別化」に成功し、残り3つの要素で「業界の標準」(平均)レベルを
保っている。5段階評価で言えば、5点が世界レベル、4点が差別化レベル、3点が業界標
準レベル、そして1点は受け入れがたいレベルだ。理想的なスコアは、5、4、3、3、3
である。
 ここに、さらに2つの「ルール」を適用した。1つは、5つの要素を通して、企業は、業
界標準レベルからすべり落ちてはいけない。もう1つは、2つ以上の要素で5点や4点を目
指してはいけない、ということ。
 5つの要素のどれか1つでも業界の標準を下回っていると、長くは生き残れない。消費者
が、その企業の提案する価値を、いずれ拒絶することになるからだ。一方、2つ以上の要素
で5点や4点を獲得している企業は、無用な差別化をして金を失っている。

この序文に書かれていることが、本書のキモであり、この後の本文は、この解説になっている。5つの要素のそれぞれで、世界で通用するレベルとはどういうことか。
その企業がそれに加えて4点を取っているものが何か?

価格でトップをいってる企業を例にあげよう。日本での100円ショップのような企業であるが。

 同じように、ダラー・ジェネラルも、顧客の間で、信頼できる代理人の地位を獲得してい
る。「私たちは、もう60年も営業しています。うちが、1ドルショップのコンセプトを生み
出したんですよ」と、同社のボブ・カーペンターは言う。「お客様が私たちを信頼してく
ださるのは、来る日も来る日も証明してきたからです。お客様に価値をもたらすために頑
張る会社だと。うちがつける価格は、うちにできる最善の価格だ、とお客様はご存知です。
だから私たちは、その信頼を絶対に裏切らないよう、努力しているんです」
 ダラー・ジェネラルの成功は、EDLP戦略の主張を裏づけるものだ。ウォルマートと同
じく、ダラー・ジェネラルの成功も、安くて一貫性のある価格のおかげだ。ただし、ウォル
マートが第2の要素として商品に注力しているのに対し、ダラー・ジェネラルはアクセスに
力を入れ、店舗の面積が9000平方メートルを超えるウォルマートをはじめ、他のディス
カウント店との差別化をはかっている。

ダラー・ジェネラルが価格で差別化する為に取っている価格哲学は重要な10要素から成るという。そのポイントだけ拾っておくと

1 現金取引、配達なし
2 広告をしない
3 小売価格を統一する
4 3タイプのブランドを取り混ぜる
5 品ぞろえには厳しく
6 シンプルで飾らない店づくり
7 質の高い労働力
8 革新的な不動産業務
9 テクノロジーは賢く使う
10 極めて効率の良い流通

いつも安い価格を維持する為にこんなに努力をしているのである。
ちなみにEDLPというのは、日本でも西友にいくとでている
 Every Day Low Price
という戦略である。

さて、アクセスというのは、他の戦略にないものだと、本書の監修をしている星野リゾートの星野氏はいう。

このアクセスというのは、商品にアクセスしやすい。店舗の中では商品がどこにあるのかわかりやすいということで、むやみと広い店舗であったり、同じジャンルの商品が多種類あると、どこにあるのかわからなくて手にしずらくなるということである。

お店にさっと入ってきて、目的の商品の棚にすっと行けて、商品の選択もすんなりできるように店舗が設計されているというのだ。

小売店とか、メーカーの直販だけが、このファイブ・ウェイ・ポジショニングに影響されるものではない。メーカーは卸を通して、小売店、消費者へとモノやサービスを流すサプライチエーンを形作っている。

 取引の両面--供給面と販売面--を支配すれば、競争上とても優位に立てる。たとえば、
ギャップのデニム商品のように、実際に店を構えるメーカーのブランドや、消費者に直接販
売しているゲートウェイ、マーサ・スチュワートとKマートのようにメーカーと再販業者が
独占販売協定を結んだケース、そのどれもが成功している。垂直統合(企業が商品の開発・
生産・販売を自社で一手に行うこと)
の力を無視しているブランドメーカーは、大変な危険を冒している。
 従来型のサプライチエーンの常識では、今の市場の現実に対応できない。とくに、新たな
消費者とは誰なのか、彼らが何をほしがり、企業に何を求めているのか、に対応できていな
い。たとえば、多くの企業の短期的・長期的なマーケティング、マーチャンダイジング、広
告の計画はこれまでずっと、長期的な人口統計データや販売データに基づいて立案されてい
た。だが、ファイブ・ウェイ・ポジショニングは、さらに多くのデータを求めている。
 ファイブ・ウェイ・ポジショニングに必要なのは、これまでとは違う情報だ。コンテンツ
だけでなくコンテクストも伝え、エンドユーザーをこれまでと違った視点でとらえられる情
報である。これまで私たちは、常に年齢や年収など人口統計上の情報で消費者を分析してき
たが、消費者の価値観や消費者が5つの要素のどれに親近感を覚えるか、といった視点で、
彼らを分類することが必要なのだ。
 ファイブ・ウェイ・ポジショニングに学べば、サプライチエーンに関わるすべての企業は、
取引の背景にある消費者の動機や行動に目を向けるほかなくなるだろう。

個々の消費者が、何を求めて、そのお店に来ているのか?単に商品を買うことだけを目的にしているわけではない。

著者がある再販業者のプロジェクトで消費者の指向を調べたら、若者も高齢者もお店の中にカウチが必要だと要望していたという。若者と高齢者のカウチを要望する理由は別である。
それでも、カウチが必要だという。

サービスというのか、体験価値というものか、商品だけではない。

コンビニが、こんなにも店舗数を拡大できているのも価格ではなく、いつでも近くにあって、いつでも快適に手に入るということである。
最高のアクセスを提供している。昨今のコンビニは商品にも力が入っている。従来型の小規模小売店では品ぞろえできないPB商品を持っている。しかもプレミアム商品だ。これでさらに利幅も取れる。

人手不足は、コンビニも業態を変えていかなければいけない。

道の駅やサービスエリアで、無人の自動販売機が沢山並んでいる店もかなり前からある。
5つの戦略のどれを組み合わせるかで同じような業態でも違う戦略でお客様を惹きつけることができるというのだ。
同じモノを売るにしても、どの2つを取るかで20通りの戦略がある。






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この記事へのコメント

2020年03月31日 09:57
こんにちは

なるほど。
参考にさせていただきます。