『Q&A経営分析の実際』
『Q&A経営分析の実際 第4版』 川口 勉 日経文庫
株式投資をしようとしたときに、どの会社に投資するかを考えるには、会社の経営状態がいいのかどうかを理解しておく必要がある。
会社の経営状態がよければ、比較的株価は高く、経営状態が良くなければどの程度改善の余地があるのか、改善の見込みが薄ければ株価は下がっていく。
中長期的に安定して良い成績を収めている会社の株価は下がりにくい。
短期的に急落したときも、自然に戻っていくことが期待できる。
会社の経営分析についてのあれこれを80のテーマで解説したのが本書である。
著者は「分析の基本は比較すること」だという。
では何を比較するのか?
①過年度との比較
②同業他社との比較
③業界平均との比較
④目標値との比較
の4つを挙げている。
①は順調に売上、利益、資産などが増えているかを見る。
②は例えば新日鐵を分析するなら、JFEや住友金属工業などと比較する。
ここは業界地図を見ると同業社がわかる。
③業界平均と比較するのはちょっと厄介かも。
業界のトップ企業の一つであれば上位10社くらいの数字を調べて比較することになろう。
④目標値とは、会社が出している目標である。
社内では予算や事業計画と比較することになる。
最近では、中期計画の情報を開示している企業も多いので
中期計画に対してどの程度達成できているかを見る。
分析のポイントとして、経営の数字からは
(1)流動性:流動比率、当座比率、固定比率
(2)健全性:純資産比率、会計方針、欠損子会社の有無
(3)安定性:過年度業績推移、主要株主の変動、経営者変更、労使関係
(4)収益性:資産利益率、売上高利益率、資産回転率
(5)生産性:従業員一人当たり/設備単位当たり/製品単位当たりの売上高や利益
(6)成長性:売上高伸び率、設備増加率、従業員増加率
(7)将来性:業績見通し、設備計画、研究開発活動、関係会社戦略
などの観点があるという。
長く経営を続けていって、初期にあった借金を返済して無借金になる会社もある。
無借金なら良いのか?
しかし、無借金会社にも2種類あるように思われま
す。本来の優良企業とかつての優良企業です。
第1のタイプの無借金会社は改めて説明するまでもな
い超優良企業です。しかし無借金会社でも、かつて大き
な成長を果たし優良企業の仲間入りをしたけれども、成
長力が持続せず、無借金には違いないけれども収益力が
ほとんどなくなった会社というのもあるでしょう。この
第2のタイプの会社はかつての優良企業ということで、
第1のタイプの会社と同一視することはできません。
この第2のタイプの会社の見つけ方は、一つは設備投資が十分に行われているかを見る。
かつて投資された設備の取得額に対して累計の減価償却費がどの程度になっているかを調べる。
比率が大きいなら設備が老朽化しているのでどこかで破綻する可能性がある。
さらに
労働装備率=(有形固定資産 - 建設仮勘定)÷従業員数
によって設備の合理化の程度がわかるという。
1社だけみるというより、他社や過去年度との比較でみるとよいだろう。
従業員の平均年齢も確認する。高齢化が進んでいるようだとノウハウの継承などの後継者問題がでてくる可能性が高い。
こうした問題に適切に対処して新しい環境に適合していくには適度な借金をして事業成長へ向けた投資をしていかなければいけない。
危ない会社の見分け方はどうだろうか?
著者は次のポイントを挙げている。
(1)売上が毎期減少している会社
(2)赤字の会社
(3)借入金の多い会社
(4)保証債務の多い会社
(5)債務超過の会社
(6)監査報告書に危険信号のある会社
(7)事業等のリスクをチェックする
これらは、有価証券報告書に記載がある。
上場している会社でも、これらに数年間該当し続けると管理銘柄とされたり上場廃止となる。
そうなってからでは株価も最低になってしまうので、有価証券報告書に何らかの危ない兆しがあったら、早めに対処しておく必要がある。
昨今の株式市況は、企業が利益を上げていても株価がついてきていない会社も多くある。
株価に対する配当金の率で2~5%の会社も多いし、5%を超えるところもある。
配当金は、企業が収益に対して変動させるが、中には常に一定の金額を配当している会社もある。
この配当政策がどうなっているのかを知っておく必要がある。
当期純利益に対して配当金がどのくらいあるかを配当性向(%)という。
これが50%となると利益の半分が株主に還元されるということで、残り50%が企業の次の活動に使われる。
常に50%前後という政策であれば、純利益が増えた年は配当金も増え、利益がでなかった年は配当金も減らされる。
順当に利益がでる経営を続けている会社は安心である。
配当性向が100%近いとか、ままもすると100%を超えているケースもある。
単年度で赤字になってしまったが、一時的な支出の増加によるから配当額を減らさなかったとか戦略もある。
この配当金の財源がどこからきているのかを知っておく必要がある。
例えば繰越利益剰余金、別途積立金というのも財源に使われることがある。
何年も対応できるものではないので、リスクがあると見た方がいいだろう。
EBITDAとは?
EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation
and Amortization)は利益概念の一種であり、利息、
税金、減価償却費等計上前利益というおとができま
す。これを営業利益や経常利益のかわりに用い、経営判
断の指標としようとするものです。読み方は、少し発音
しにくいですが「イービッダー」となります。
①EBITDA=当期純利益 + 支払利息
+ 支払税金 + 減価償却費
金利水準や税制、税率、減価償却に関する会計基準等
は各国によって異なり、その影響を受けて計算された利
益を共通尺度とするのは適当ではないのではないかとの考
えから、それらの影響を受ける前の利益により収益性の
比較をしようとして生まれたものです。
海外の投資家に向けて、EBITDAを示して、その企業への投資を増やしてもらおうという活動の一環と考えていいだろう。
国内企業だけを比較する場合には使わなくてもいいが、海外企業と比較するときはこの指標が重要になってくる。
株式投資をしようとしたときに、どの会社に投資するかを考えるには、会社の経営状態がいいのかどうかを理解しておく必要がある。
会社の経営状態がよければ、比較的株価は高く、経営状態が良くなければどの程度改善の余地があるのか、改善の見込みが薄ければ株価は下がっていく。
中長期的に安定して良い成績を収めている会社の株価は下がりにくい。
短期的に急落したときも、自然に戻っていくことが期待できる。
会社の経営分析についてのあれこれを80のテーマで解説したのが本書である。
著者は「分析の基本は比較すること」だという。
では何を比較するのか?
①過年度との比較
②同業他社との比較
③業界平均との比較
④目標値との比較
の4つを挙げている。
①は順調に売上、利益、資産などが増えているかを見る。
②は例えば新日鐵を分析するなら、JFEや住友金属工業などと比較する。
ここは業界地図を見ると同業社がわかる。
③業界平均と比較するのはちょっと厄介かも。
業界のトップ企業の一つであれば上位10社くらいの数字を調べて比較することになろう。
④目標値とは、会社が出している目標である。
社内では予算や事業計画と比較することになる。
最近では、中期計画の情報を開示している企業も多いので
中期計画に対してどの程度達成できているかを見る。
分析のポイントとして、経営の数字からは
(1)流動性:流動比率、当座比率、固定比率
(2)健全性:純資産比率、会計方針、欠損子会社の有無
(3)安定性:過年度業績推移、主要株主の変動、経営者変更、労使関係
(4)収益性:資産利益率、売上高利益率、資産回転率
(5)生産性:従業員一人当たり/設備単位当たり/製品単位当たりの売上高や利益
(6)成長性:売上高伸び率、設備増加率、従業員増加率
(7)将来性:業績見通し、設備計画、研究開発活動、関係会社戦略
などの観点があるという。
長く経営を続けていって、初期にあった借金を返済して無借金になる会社もある。
無借金なら良いのか?
しかし、無借金会社にも2種類あるように思われま
す。本来の優良企業とかつての優良企業です。
第1のタイプの無借金会社は改めて説明するまでもな
い超優良企業です。しかし無借金会社でも、かつて大き
な成長を果たし優良企業の仲間入りをしたけれども、成
長力が持続せず、無借金には違いないけれども収益力が
ほとんどなくなった会社というのもあるでしょう。この
第2のタイプの会社はかつての優良企業ということで、
第1のタイプの会社と同一視することはできません。
この第2のタイプの会社の見つけ方は、一つは設備投資が十分に行われているかを見る。
かつて投資された設備の取得額に対して累計の減価償却費がどの程度になっているかを調べる。
比率が大きいなら設備が老朽化しているのでどこかで破綻する可能性がある。
さらに
労働装備率=(有形固定資産 - 建設仮勘定)÷従業員数
によって設備の合理化の程度がわかるという。
1社だけみるというより、他社や過去年度との比較でみるとよいだろう。
従業員の平均年齢も確認する。高齢化が進んでいるようだとノウハウの継承などの後継者問題がでてくる可能性が高い。
こうした問題に適切に対処して新しい環境に適合していくには適度な借金をして事業成長へ向けた投資をしていかなければいけない。
危ない会社の見分け方はどうだろうか?
著者は次のポイントを挙げている。
(1)売上が毎期減少している会社
(2)赤字の会社
(3)借入金の多い会社
(4)保証債務の多い会社
(5)債務超過の会社
(6)監査報告書に危険信号のある会社
(7)事業等のリスクをチェックする
これらは、有価証券報告書に記載がある。
上場している会社でも、これらに数年間該当し続けると管理銘柄とされたり上場廃止となる。
そうなってからでは株価も最低になってしまうので、有価証券報告書に何らかの危ない兆しがあったら、早めに対処しておく必要がある。
昨今の株式市況は、企業が利益を上げていても株価がついてきていない会社も多くある。
株価に対する配当金の率で2~5%の会社も多いし、5%を超えるところもある。
配当金は、企業が収益に対して変動させるが、中には常に一定の金額を配当している会社もある。
この配当政策がどうなっているのかを知っておく必要がある。
当期純利益に対して配当金がどのくらいあるかを配当性向(%)という。
これが50%となると利益の半分が株主に還元されるということで、残り50%が企業の次の活動に使われる。
常に50%前後という政策であれば、純利益が増えた年は配当金も増え、利益がでなかった年は配当金も減らされる。
順当に利益がでる経営を続けている会社は安心である。
配当性向が100%近いとか、ままもすると100%を超えているケースもある。
単年度で赤字になってしまったが、一時的な支出の増加によるから配当額を減らさなかったとか戦略もある。
この配当金の財源がどこからきているのかを知っておく必要がある。
例えば繰越利益剰余金、別途積立金というのも財源に使われることがある。
何年も対応できるものではないので、リスクがあると見た方がいいだろう。
EBITDAとは?
EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation
and Amortization)は利益概念の一種であり、利息、
税金、減価償却費等計上前利益というおとができま
す。これを営業利益や経常利益のかわりに用い、経営判
断の指標としようとするものです。読み方は、少し発音
しにくいですが「イービッダー」となります。
①EBITDA=当期純利益 + 支払利息
+ 支払税金 + 減価償却費
金利水準や税制、税率、減価償却に関する会計基準等
は各国によって異なり、その影響を受けて計算された利
益を共通尺度とするのは適当ではないのではないかとの考
えから、それらの影響を受ける前の利益により収益性の
比較をしようとして生まれたものです。
海外の投資家に向けて、EBITDAを示して、その企業への投資を増やしてもらおうという活動の一環と考えていいだろう。
国内企業だけを比較する場合には使わなくてもいいが、海外企業と比較するときはこの指標が重要になってくる。
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