兎夢のつれづれ日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 『工学部ヒラノ教授』

<<   作成日時 : 2017/11/11 16:02   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 23 / トラックバック 0 / コメント 0

『工学部ヒラノ教授』 今野 浩 新潮文庫
大学の教授会とか、大学の運営とはどんな感じなのか、研究活動とは別に多くの大学は経営組織でもあり、その運営の主体になっているのは教授の方々である。

大学教授の中にも、順位みたいなものがあるだけでなく、派閥のようなものがあるらしい。

 一般教育グループと専門教育グループの対立は、国立大学のすべてに共通する現象
だった。ヒラノ教授は、秋田大学で開催された「全国一般教育協議会」の総会に出席
する機会があったが、どの大学の代表者も真っ暗な顔をしていた。彼らは日本海から
吹き寄せる寒風の中で、教養部(一般教育)取潰しと定員削減に怯えていたのである。
 すったもんだの挙句、多くの大学は教養部を解体し、新設された「国際コミュニケ
ーション学科」、「総合文化学科」、「人間環境学科」などの文理融合(まぜこぜ)学科
に、一般教育教官を収容した。かくして彼らは、めでたく専門教育担当教官に昇格し
た。

昔は、教養部というのがあって、大学に入って2年ほどそこに所属してその後、専門課程の学部学科講座に所属したものだったが、今の大学は変わってしまったようだ。
文科省の考えで、大学の編成変わっている。

文系の教授には大変な作業であっても、理系の教授にとっては何のこともないことがある。
教養部から、専門に進級するときの学生の配属をどうするかという問題である。

 最初の2年間、文系大教授のレトリック合戦に翻弄され続けたヒラノ教授は、3年
目に学科主任を引き受けたのがきっかけで、ビックリ箱の仕掛けがわかってきた。わ
かってみれば、その取り扱いは筑波の計算機オタク以上に難しいものではなかった。
10×10行列の縦と横を入れ替えるプログラムが書けるだけで、”プログラミングの
天才”と吹聴してくれた文学担当助教授から見れば、この学科を20年以上悩ませてき
た「クラス編成問題」を、線形計画法なる数学手法を使って解決した統計学教授は、
「魔法使い」だった。
 これは、1200人の1年生を12ないし15のクラスに所属させるにあたって、各ク
ラスの定員制約を守りつつ、学生をなるべく志望順位の高いクラスに所属させる問題
で、数学を知らない文系教官がこの当番にあたると、3日3晩の格闘の末悶絶すると
いわれていた。

統計学を学んでいる人にとっては、なんとない問題だったわけだが、学生の所属割という機密性の高い問題の為、他の人になかなか相談できなかったということであろう。

さて、ヒラノ教授が属してきた工学部には次の教えがあるという。

 ヒラノ教授は人生70年の約3分の2を、工学部という組織の中で過ごしてきた。エ
ンジニアとしての素質が乏しい男が、半世紀近くにわたって大過なく勤め上げること
ができたのは、先輩諸氏から学び取った「工学部の教え7ヶ条」に従って、自らを律
してきたおかげである。

工学部の教え7ヶ条
第1条 決められた時間に遅れないこと(納期を守ること)
第2条 一流の専門家になって、仲間たちの信頼を勝ち取るべく努力すること
第3条 専門以外のことには、軽々に口出ししないこと
第4条 仲間から頼まれたことは、(特別な理由がない限り)断らないこと
第5条 他人の話は最後まで聞くこと
第6条 学生や仲間をけなさないこと
第7条 拙速を旨とすべきこと

一見つまらなく、一般的なことのようであるが、なかなか守れないこともあり重要だという。

論理的に考えて、時間に細かいのは理系の工学部出身者の特徴なのだろうか。

各種の実験において、計測するというのは、基礎中の基礎であろう。物事を正確に計測してこそ新しい発見があり、時間を予測して、帳尻を合わせる。「工学部の教え7ヶ条」は、社会にでてからも必要な資質であろう。

いろんな測定結果から、測定誤差以上にはずれた値が測定されることがある。
統計的には、何らかの線形性か2次曲線とか指数関数的な曲線に沿っていないと、きっと測定ミスだろうと考えて無視してしまいがちだが、意外にもそこに新たな真実が隠されていて、極端な変異点の一つが見つかっていたのかもしれない。そうしたものを見逃さないためには、変な値がでている近傍をもっと細かく調べる必要があるということだ。

自然界の現象は、必ずしもなだらかな分布をしていない。それは、原子のレベルで電子の軌道をみてもそうだし、太陽系規模で惑星の周回軌道をみても特定の部分で回っている。安定的な軌道というのは、どこでもいいとういう訳ではないのである。






テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 23
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『工学部ヒラノ教授』 兎夢のつれづれ日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる