『プロ棋士の思考術 ~大局観と判断力~』

『プロ棋士の思考術 ~大局観と判断力~』 依田 紀基 PHP新書
囲碁の本かと思いながら手に取って、パラパラめくったら、どうも違うようなので読んでみることにした。

まずは、大局観について、依田さんは次のように書いている。

 大局観とは、勝つための判断力である。
……
 あるとき考えて、プロが勝ち続けるための要素を八つにまとめてみたことがある。い
ずれも、自分自身が日ごろから心がけ、かつ実践していることだった。大局観を形づく
る必要条件として、それをまず紹介したい。
 どれも頭文字が「か行」であることから、私はこれを「勝ち続ける八つのK」と称し
て、若手の棋士にも勧めている。「心技体」でいえば、一~四は「技」、五~八が「心」
と「体」にあたるが、密接につながっているから、そう意識しなくてもいい。会得し、
実行すれば強くなる順番に並べてある。

それぞれ説明が書いてあるのだが、長くなるので、言葉だけ示すと

「感動」
「繰り返し」
「根本から考える」
「工夫を加える」
「感謝」
「健康」
「根気」
「虚仮の一念」(こけのいちねん)

最期のは解説しないとわからないだろう。

 一から七までは日常生活で使う言葉だったが、いきなり異質の表現になって、「いっ
たい何だ」と面くらうかもしれない。「虚仮」とは愚か者のことだ。「虚仮の一念」とは、
愚か者でも一心に一つのことをやれば、目的を達せられるというほどの意味である。
 碁でいえば、どうしても勝たねばならない状況から生まれる一心不乱の心境である。
勝つことへの執念に近いが、それだけではない。ハングリー精神も含む、もっと広い意
味合いがある。


さて、依田さんはツキについてこう記している

 関本さんからいただいた本の中に、ほんとうに大きなチャンスがあるときほど、不安
が大きいものだという意味のことが書かれていた。
 私は胸を衝かれた。
 というのは、王立誠さんとの十段防衛戦が控えていた時期だったからである。当時の
王立誠さんは絶好調で、対する私は成績がふるわず、「自分は負けるのか?」と大きな
不安を抱えていた。
 私は、関本さんの立場になってみた。
 大きな事業で、チャンスを目の前にしている。半面、不安も大きい。でも、挑戦しな
くては会社の未来はない。おそらく関本さんは何度も、不安にさいなまれながら果敢に
乗り越えてきたに違いない。
 碁はしょせん、私一人の勝ち負けだが、関本さんは経営者である。会社の存続も、多
くの社員の生活もかかっている。勝負のスケールが違いすぎる人の言葉に、私は勇気を
もらった。不安が大きいのは、大きなチャンスだからだ。自分を信じて開き直ろう、果
敢に攻めよう、と決心した。

そして、

 ツキのない時間はいつか終わると考えよ、と教えてくれている。

さらに、

 最近、私は関本さんの方程式に触発されて、人生をドラマチックに生きる方程式をつ
くった。
 ドラマチックな生き方=夢×ツキ×虚仮の一念
……
 生まれつき幸せな人は、ドラマチックに生きる方程式は関係ないかもしれない。私の
ように「自分は馬鹿だ、生きていけないかもしれない」と落ち込んでいる人こそ、ぜひ、
この方程式を一項目ずつ満たし、劇的な変化を手に入れてもらいたいものだ。


大局観から始まって、ツキまで、さまざまな方との出会い、引用したいところは一杯あるのだがその中の一部を紹介した。夢を大きく持ち、ツキはいつか回ってくると信じ、虚仮の一念であきらめない。あきらめなければ失敗はないとよく言われる。心の持ちようで、実力的には勝てない碁にも勝つことができ、それを気迫と表すこともあるし、心の持ち方の差だったりもする。そうした心構えが、大一番で力を発揮する強さになる。






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