『しがみつかない生き方』

『しがみつかない生き方 ~「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール~』 香山 リカ 幻冬舎新書
10連休が始まった。

既に連休2日目に入ろうとしている。

連休になんでこの本なのかは、あまり意味はない。たまたま読み終わったタイミングが今なのだ。

さて、香山リカ氏は、精神科医としてTVや新聞などで目にすることも多い。著作も沢山ある。
たまたま、10年前に出版されたこの本を目にして、読んでみたので、紹介したい。

まずは、恋愛関係から

 自分のがんばり、努力で築いてきた過去を否定し、恋人ができない、プロポーズされ
ないというだけで「私なんて意味も価値もない」と落ち込んで心身が壊れていく人たち
を見ていると、いっそのこと、若い女性は心身の健康のために恋愛などしないほうがい
い、と言いたくなることもある。とはいえ、恋愛する自由は誰にでもあるのだから、
「若い女性は恋愛禁止」などというのは人権の侵害になってしまう。
 ならばせめて、日頃から自分に言い聞かせておくべきではないのか。
「恋愛がすべてではない」
 あるいは、こういう言い方でもいいだろう。
「恋愛のように成否が相手にかかっているものより、自分の努力で手に入る成功のほう
が、ずっと貴重なものなんだ」
 もちろん、恋愛は「この人に出会うために私は生まれた」と強く、そして簡単に生ま
れた意味を実感させてくれる”便利な手段”ではあるが、それは生まれた意味や生きる
価値を確認する”唯一の手段”ではないのだ。

この「〇〇がすべてではない」という考え方は、恋愛に限った話ではない。
何かに執着しすぎると、それを失ったときの喪失感がたまらなくなって、心が病んでしまう。

ある作家の心の病に関して、

 私は、性風俗業を経て作家になり、そして2002年晩秋に急逝したこの菜摘ひかる
さんの親しい友人であったのだ。菜摘さんは自殺だ、とネットの一部では噂になってい
たが、決してそうではない。ただ、風俗業時代と作家業をかけもちしていたときから、
菜摘さんは肉体的にも精神的にもひどく疲れていて、それは風俗業をやめて執筆に専念
するようになってからもなかなか取れることはなかった。かねてから夢見ていた通り作
家として着々と実績を重ね、大手出版社からもオファーが次々と舞い込むような状態に
なっても、彼女の笑顔はどこか力なく、「なかなか眠れない」「食欲がわかなくて」とた
め息をつくこともしばしばであった。
 この心身の底にこびりついたような疲れは、いったい何なのか。
 よしもとさんの言葉を借りれば、それは「精神のどこかがどうしょうもなく疲れて、
傷ついてしまって、そのダメージは自分が思っているよりもずっと大きくなっている」
ということなのだろうが、それをひとことで表現するなら、「魂が傷つく」と言うしか
ないのではないか。私はそう思ったのだ。

「魂が傷つく」というのは、かなり深刻な状況だと思う。

人間の心がどのように出来上がっているものなのか、科学的にはさっぱりわからない。
わからないものを表現しようとしたときに「魂」というさらに分からないもので、表現してしまっても、なんとなく納得させられてしまうのは、人間はみな魂を持って生きているからなのかもしれない。

でも、人間ではなくても生命であれば魂を持つとも考えれる。魂とはなにか、意志の別名なのかもしれない。

最後にもう一つ。

 好き、きらいといった感情なら瞬間的に決めることができるかもしれないが、それも
時間の経過の中では変わることがある。ましてや、「良い、悪い」という善悪や「勝ち、
負け」は、判断するのに時間がかかる。そのときの評価が後になってまったく逆になる
こともあるのは、人類の長い歴史を振り返っても明らかだ。
 直感が大切だが、あまりにはっきりと評価が決められることについては、むしろ「こ
れは後になって変わるかも」と疑ったほうが本当はよいはずなのだ。そもそも人間のや
ることは、白か黒かはっきりしない、絶対的な正解はないもののほうが多いと考えるの
がよいのではないだろうか。
 その意味では、絶対に一生、後悔することはない、と言い張ってタトゥーを入れるの
も正しくないが、「やっぱり入れなければよかったかも」とタトゥーを消そうとしてい
る人を「愚かだ。私は絶対にそんなことをしようとは思わない」と非難するのは、正し
い姿勢とは言い切れない。どんなときも100パーセント、正しい適切な判断ができ
る人はいない。
「まあ、いまのところはそう思っているのだけれど、もうちょっと様子を見てみないと
何とも言えないね」といったあいまいさを認めるゆとりが、社会にも人々にも必要なの
ではないだろうか。そしてこの「あいまいなまま様子を見る」という姿勢はまた、自分
と違う考え方、生き方をしている人を排除せずに受け入れるゆとりにも、どこかでつな
がるものだと思われる。

先人も中庸ということばを使っている。

白黒、囲碁のゲームではないのだから、常に白黒つけなければいけないわけでもない。
囲碁にも「打掛」という途中で中断することもある。どちらかが形勢不利で、挽回できないと思ったら、途中で負けを認めて、それ以上の負債を抱えないようにする場合もある。

とことん突き詰めるのではなく、どこかで折り合いをつけるということを身につけていくことが、その後の人生をより豊かに生きていけることになるだろう。

人の複雑な心理が、そう簡単に人工知能でまねできるとは思わない。

0であり、1でもあるということを利用した量子コンピュータというものも。
所詮、0か1を表わしたものであり、いうなれば白か黒のどちらかを最終的に選ぶということで、曖昧さはなくなる。計算過程においてはどちらとも判断がつかない、判断しないままの状態では、結果はでないのであるが、ときには
「結論が無い」という答えだってあり得るのだ。

「しがみつかない」、執着しないというのは、仏教の無常とか無の境地とか禅問答にもつながっているという気もする。






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