『沈黙入門』

『沈黙入門』 小池 龍之介 幻冬舎文庫
心を平安に保つ、その一つの方法は、仏教の修行から学ぶことだ。

仏陀も哲学の一つのジャンルになる。
宗教的なものはさておいて、その考え方は参考になるものが沢山あるので、良いところは取り入れると生きやすくなる。

欲望をコントロールすることによって心を強くすることができる。

 仏道には十の善行を保つための十善戒という教えがあります。戒とは戒め。己を縛
りつけるボンデージです。
 十善戒のうち言葉については、「不妄語」(嘘をつかない)、「不悪口」(非難しな
い)、「不両舌」(その場にいない人のよからぬ噂話をしない)、「不綺語」(無駄話をし
ない)、の四つのボンデージがあります。
 行動については、「不殺生」(人も虫も動物も殺さない)、「不偸盗」(与えられない
ものを盗らない)、「不邪淫」(浮気しない)の三つのボンデージがあります。
 心の中で考えることについては、「不貧」(欲で心を汚染しない)、「不瞋」(不快感
で心を汚染しない)、「正見」(心の因果法則を理解し意識しておくこと)の三つです。
 何かを考えたり、言ったり、行動したりするときにこの十個全部を満たすように頑
張ったら、かなりのボンデージたっぷり、パンクなことこの上ありません。
 この縛りを少しゆるめ、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語の四つに、不飲酒(アル
コールなど中毒性のあるものを摂らない)の縛りを加えた、五戒という、ちょっとス
マートめなパンクもあります。
 十善戒にせよ、五戒にせよ、これらは勝手気ままかつ下品に暴れ回る自分の欲望や
怒りや迷いをパンキッシュに縛りあげて、品性ある所作をつくるための修行なのです。

言葉は、ときに他の人を傷つけてしまうことがある。不用意に相手を非難することはできれば避けたい。避けたいと思いながらも、自分をコントロールしにくい状況に陥ると、つい他人を非難してしまう。自分のせいではない、アイツが悪い、向うが間違っている、などなど

 非難を受けて傷つくことは、ゆっくりゆったりを人の心を蝕み、暗い感情へと陥
れます。たとえ一回のダメージは小さくても、自分でも意識しないうちに、ひそかに
不快感が蓄積されてゆく。まるで花粉を浴びるたびに、少しずつ、自覚症状なく、不
快感の目盛りが上がり、限界がきたら突如として発症する花粉症のようです。
 この不快感のことを仏道では「瞋恚」という特別な言葉で表現します。要は何かを
「嫌だなー」と感じるときに心に蓄積される暗いエネルギーのこと。その「瞋恚」=
「不快感」の程度の差によって「漠然とした不満」<「つまらない」<「不安」<
「寂しい」<「悲しい」<「イライラ」<「ムカツキ」<「対象を消したい/壊した
い」<「殺意」といった感情のグラデーションができてきます。

この暗いエネルギーは、深い潜在意識のなかで芽を出して、ネガティブな意志や行動へと駆り立てるようになるという。

何かを強く欲しがったりすることもいけないという。

 仏道では渇愛を戒めますが、これは、こんなことをいつまでも繰り返していてはい
けないという、痛烈な叱咤なのです。
 人は他人に受け入れてもらうことで、自分の欠けているところを満たそうとします。
人は誰しも不完全なので仕方がないのですが、欠けていることへの不安が大きければ
大きいほど、相手に求めるものが大きくなり、相手の負担も大きなものになります。
 すると相手は、その「欲」の重さに疲れて、逃げ出したくなったりします。
 親が子に期待という形で寄りかかるのも、想い人への恋愛であっても、同じです。
相手の肩に「欲しいよ、欲しいよ」と重くのしかかってしまうことにより生まれる壊
滅的なデメリットは、数え上げればキリがありません。

欲に憑かれたら、どうやって避ければいいのだろうか?

例えば、自分が意識していることへ集中していく方法があるという

 では始めましょう。「出入息念」は十六の段階を一歩一歩極めてゆく高度な修行法
ですが、ここではその初歩の初歩だけを調理して記します。
 背筋を伸ばして座ったら、目を瞑って、できるだけ自然な呼吸をします。
 息を吸うときに、空気が通ってゆくのをロック・オンし、意識によって追跡してく
ださい。離れずに、ぴったりと。鼻孔から鼻の頂点を通って気道を抜けてゆき、お腹
までたどりつく経路を、ありのままに追いかけます。そのときそのとき、一瞬一瞬、
鼻の入り口に空気が触れる感覚、鼻の穴を空気が上昇してゆく際の温度やこすれる感
覚、気道を空気が通ってゆく感覚、空気がお腹に到達してお腹が膨らむ感覚などを、
できるかぎりはっきりと実感するように、しっかり照準を定めロック・オンしてまい
りましょう。
 息を吐くときは反対に、お腹が縮む感覚から始まって、鼻孔から空気が出てゆくと
きの感覚までを、できるかぎり肉薄して感じ取るようにします。その際、感じ取って
いる部分以外のことは、すべて忘れてしまうくらいの集中力を注ぎ込みましょう。

呼吸の感覚に集中すればするほど、他のことが気にならなくなってくるそうだ。

また、空気の動きを意識することができるようになったら、今度は、逆に息が通る一点(鼻孔の入り口や気管の入り口など)に意識を集中して、そこを流れる空気が入っていく感覚や出てゆく感覚に全意識を集中させる。

このようにして、意識を集中させていくのが禅の習いの初歩だという。
最初は、短時間だけ行い、毎日続け、徐々に長くしていって、毎日30分くらいできると集中力が高まっていくそうである。






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この記事へのコメント

2019年07月21日 02:31
こんばんは。

仏教の本ですか。
読んだことないです。
私は無宗教ですが、色々学べそうですね。
2019年07月23日 09:47
こんにちは。

気持玉です

『沈黙入門』の本は興味深い内容ですね。十善戒は仏教の基本的な戒律です。小生は仏教に深く帰依しており記事の内容に共感しました。坐禅をして瞑想するのは心の修行に有効だと思います。