『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』

『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』 古屋 悟司+田中 靖浩 日本実業出版社
先日、会計の本を紹介したが、こちらは、その会計の中の株式会社の決算書の話である。

ステークホルダーへの報告のための財務会計は、決算書として表現される。
しかし、事業が旨くいっているのかどうかはそれだけではわからない。
うまく行っている事業(商品)もあれば、うまく行ってないつまり赤字の事業(商品)もある。
それを知るための会計が、管理会計だ。この会計の仕方がどのように発展してきたかを著したのが先日紹介した『会計の世界史』である。

さて、この本は、脱サラして花屋さんを始めた古屋氏が、売上げも上がらずひん死の状態から、通販によって売り上げ倍増。しかし赤字は解消しない。
そんな中で、あるすご腕の税理士と出会ったところから転機が訪れる。
そんな事実を追いかけたドラマである。

ドラマといいながらしっかりと田中氏が解説しているので、商売の基本を理解できる。

さて、税理士に、売上げをあげれば、儲かると諭されても一向にうまく行ってない。

 これはあとから知った話ですが、税理士の資格を取得するうえで勉強する内容は、
儲けるための方法はいっさい入っていないとのこと。いわゆる「税務会計」といわれ
ている内容を勉強して取得する資格だそうです。
 そもそも、「税務会計」は、会社が税金を正しく納めるべく、各種の手続きや計算
方法を熟知するためのものです。
 だから、「会社にお金が残る方法」を税理士さんに聞いても、答えが出てくるはず
もなく、そのアドバイスを受け取る僕も未熟でした。経費を節減するか、売上を上げ
ることしか方法がなかったのは、しかたのない話だと今ならわかります。

人のいい税理士さんに相談して振り回してしまったと反省する古屋氏だった。

ある知人に紹介された、すご腕の税理士さんから、会計の仕組みを学んでいく。

・「費用を減らす」と言っても、費用とは、固定費と変動費がある。
・会社が存続する為には、利益が大事。
 利益には6つある。粗利(売上総利益)、純利益(当期純利益)、営業利益、経常利益、
税引き前当期純利益、限界利益。

問題は、限界利益
 限界利益-固定費=営業利益(本業の利益)
限界利益が大きいほど、会社の『儲けパワー』が大きい。

決算書の
・売上高
・売上原価
・販売費及び一般管理費
を見る

販売費及び一般管理費の明細から、固定費と変動費に分ける。
そして
 限界利益=売上-売上原価-変動費
この限界利益が大きいほど、会社は儲かるのだそうだ。

さて、売上げを上げるために、値引きセールを繰り返していた古屋氏、すご腕税理士からこう諭される。

古屋  「10%値引きした場合は、販売個数が10%伸びれば同じくらいの利益を確保で
きると思っていたんですが、そうではないんですか?」
税理士 「残念ながら、そうではないんですね。値上げする前の販売価格での限界利益
額は400円でしたね。仮に1日10個売れていたとします。その場合は、1日
の限界利益額は4000円です」
古屋  「そうなりますね」
税理士 「10%値下げした場合は1個売ったときの限界利益額は200円になりますか
ら、21個売ってやっと通常時の限界利益額を上回ります。21個販売しないと
セールをした意味がないんです」
古屋  「えー! そんな……。ってことは、セールして売上個数が2倍以上にならな
いと、いつも通り売っていたほうが、利益が出てるってことですか?」

利益を出すには、セールで沢山の個数を販売するのではなく、逆に、商品の単価を上げて、少ない数量でも利益がでるようにしなければいけないと学んだ古屋氏。

一気に全商品を値上げした。

そしたら、安売りをネタにしていた通販には一気にお客さんが来なくなってしまった。
すご腕税理士さんは、辛抱して、来てくれるお客様を大事にしていくように諭す。

1年半くらい我慢して、やっと売上が上昇に転じた。

 ただし、ドラマみたいにこれで手放しで前進したわけではありません。
 お客さんが少しずつ増え(入れ替わって)、業績が上向いてきて、数字上では利益
が出始めているのがわかっているのですが、注文の数が少ないために、ものすごく漠
然とした不安に襲われるんです。
 値上げして売れているので、商品1つあたりの利益は大きくなっています。だか
ら、販売数が減ったとしても、きちんと利益が出ます。これは頭ではわかっています。
でも、以前に比べて暇なので、とても不安になるんです。
 僕はこれまで「たくさん売れる=儲かる」と思い込んでいました。忙しくなればな
るほど儲かっているという錯覚に陥っていたのです。いや、むしろ、忙しくなること
が、儲かる道へとつながっているとさえ。

だから、「暇=儲からない=会社が危ない」
と考えてしまっていたという。

昨今、働き方改革で、業務を効率化して、勤務時間を短くしていくことが流行っている。
残業しないことが、仕事が無くなって、
 儲けが減る=給料が減る
と思ってしまうのだが、そうではないことがわかる。利益のでる仕事に集中していけば、勤務時間が短くなっても、儲けはでるのだ。

そして、会社は、資金繰りが重要だという。
黒字倒産というやつだ。最終的な収支は黒字になるのだが、資金がいつ必要なのかいつ経費を払って、いつ売上が入金されるのかを管理するのが重要だという。

消費税10%になって、政府はキャッシュレスを推し進めて、現金値引きやキャッシュバックの仕組みを提供している。

小規模の店舗で、いつもにこにこ現金払いをしていた会社が、キャッシュレスで注意しなければいけないのは、この資金繰りだ。
入金がいつになるのか。クレジットカードだとかなり長い日数がかかることを覚悟しなければならない。

業務が忙しくなったら、アルバイトを増やせばいいのだろうか?

 人件費は、僕の会社のような中小企業でも年間数百万円単位の金額が動く。大きな
費用の1つです。
 過去の失敗を踏まえて、人を雇うべきなのかどうかを決める前に確認したほうがい
い条件を次の3つにまとめました。

① 業務を効率化して今の人数でできないだろうか?
② 雇わずに外注することはできないだろうか?
③ 雇った場合、給与を支払っても資金繰りは大丈夫か?

 会計の考え方を学んでわかったのは、今よりもスタッフの人数を増やすと、財務体
質をよくすることにはつながりにくい、ということです。
 仮に利益が大きく下がってお黒字が継続できるような、潤沢な資金のある会社は別
ですが、ギリギリの資金で経営している僕のような会社は、気軽に人を雇った場合、
最悪すぐに赤字に転落することも考えられます。

雇用も計画の上でのことだが、計画を立てる場合に必要なのは売上ではなく、利益。
利益をどれだけ出せるかを計画することが重要だ。

そして、利益を考えていくと、次に、商品別の利益となる。
商品によって同じ金額を売上ても、利益の大きい商品と少ない商品がある。

だから、単品管理ができるように会計の仕組みを作っていかなければならない。
そうすれば、利益の少ない商品を減らし、利益のでる商品を増やしていくとか、利益のでない商品を買うお客様には利益のでるオプション商品も用意して最終的な利益が確保できるような施策を打ち出すなどの工夫が必要なのだ。

固定費が大きいか小さいか、限界利益が大きいか小さいか、ビジネスによってどっちによっているかは異なる。
種類の違う業界を単純には比較できないが、同じ業界の中でどっちに寄ってる企業かは決算書を比べてみるとわかるだろう。

投資するなら、健全な会社にしたい。






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この記事へのコメント

2019年11月10日 00:42
こんばんは

毎日、これと格闘してます。
儲かっている儲かっていないは数字だけじゃないですが、まあ数字は正直ですね。。。