『ハイ・アウトプット・マネジメント―“インテル経営”の秘密』

『ハイ・アウトプット・マネジメント―“インテル経営”の秘密』 アンドリュー・S.グローヴ 早川書房
図書館への返却期限が伸びているのをいいことに、ゆっくりと読んでいたら、1ヵ月半もかけて読んでいた。

マネジメントや経営に関する本で、30年以上たっても役にたちそうな本である。
課長、マネジャークラスになって部下の育成もする頃には読んでみると良い。

最初の方は、生産関連の話である。メーカー勤務の方は理解しやすいと思う。

ものづくりの生産予測について

 予測の技術と科学は非常に複雑なため、予測の全責任を一人だけのマネジャーに持たせたいという
気持になるかもしれない。しかし通常、これはうまくいかない。ここのところをうまくやらせようと
思えば、生産部門と販売部門の両方に予測を作らせ、複数
の人にそれぞれ予測したとおりに行動する責任を持たせる
とよい。
 インテル社では、この二つの平行した流れをできるだけ
正確にマッチさせるよう努力している。これがうまくマッ
チしないと、客の注文を満たすことができないか、あるい
は引き取り手のない製品を抱えるということになる。いず
れも困った問題である。これがうまくマッチすれば、予想
した注文は現実の注文となり、客の要求は工場製品の引き
渡しできちんと満たすことができる。

生産量の予測がうまくできて、さらに、品質を確保して、部材も必要なだけあり、多すぎて仕掛在庫が溜まってしまうこともない。そういう状態にどれだけ近づけられるか。作業の効率を上げられるかが、ものづくりにおいて重要になる。

第一部の結論は

 もちろん、作業簡素化の原理は道具的製品の生産技術においては決して新しいものではない。事実、
これはインダストリアル・エンジニアが100年も前から実施しているものの一つである。だが、い
わゆる「ソフト・プロフェション」--事務管理職や知的専門職や経営管理職--などの生産性向上
に対するこの原理の適用は日も浅く、はっきり地についていない。解決すべき主要な問題点は、こう
いった仕事のアウトプットとは何か、何であるべきかをしっかり限定することである。後述するよう
に、ソフト・プロフェションの仕事においては、アウトプットと活動の区別をはっきりつけるのが非
常にむずかしくなる。そしてすでに説明したように、アウトプットを強調するのは生産性向上のカギ
であるが、活動の増加を狙うとまったく反対の結果になることがあるのである。

 そして次の第二部では、経営管理のベースにいるマネジャーの業務について述べられている。
マネジャーは、レポートを作って、上位経営者や、関連部門に報告しなければならない。

 では、一体なぜ文字で書かれたレポートが必要なのだろうか。提供する情報がタイムリーでないの
は明らかである。レポートはまとまったデータ・センターを構成し、臨時のインプットの確認を助け、
われわれが見逃すかもしれないようなものを、安全網(セイフティネット)のようにもれないよう
に掬い取る。だが、レポートにはもう一つまったく別の機能がある。レポートが公式化されて記録さ
れる時に、それを書く人は口頭でいう時よりも、厳密にならざるを得ない。レポートの作者名は説明
の中でトラブル個所を確認し処理せざるを得ない。つまり、そういう規律と思考を自らに課している
ところから、レポートの価値が生じてくるのである。レポートは情報を伝える方法というよりは、
”自己規律訓練”の”手段”なのである。レポートを”書くこと”は重要だが、読むことは重要でな
いことが多い。
 これに似た例は沢山ある。あとでおわかりのように、年間計画の”作成”はそれ自体が目的であっ
て、結果としてできあがる報告書が目当てではない。同様に、大型資本支出の許可”プロセス”はそ
れ自体が重要であって、許可そのものが重要なのではない。大型支出申請書を作成し正当化するため
に、人びとはくり返し自己分析や工夫をする。そして価値があるのはこの精神的試練である。公的な
手続きを得て許可することは、それがこういうプロセスを確実に通ることをいわば自己規律として強
いるからこそ役立つのである。

できあがっている報告書を作ることよりも、その中身を決めるプロセスが重要だと言っている。
だから、そこに書かれている内容が読まれることに重要性は薄いと。

マネジャーは、自分一人分の能力だけでの成果ではなく。部下も含めたチームの成果が問われる。
チームで行うことによって、一人の仕事が何倍かに膨らむ。これがテコ作用だという。

 経営管理のテコ作用を構成する重要要素の一つは、マネジャーが抱える部下の数である。充分な人
数がいなければ、テコ作用が弱まるのは明らかである。人数が多すぎれば動きが取りにくく、結果は
同じになる。おおよその経験則でいえば、監督業務の多いマネジャーは六人から八人ぐらいの部下が
よく、三、四人では少なく、10人では多過ぎる。この範囲は、部下の一人一人につき、週に約半日
を当てなければならないという基準から考えたものである(部下一人に週二日では干渉に陥りやすく、
週二時間ではモニタリングの機会が充分に得られない)。
 六人から八人という基準は、人の監督を主たる業務とする古典的な階層組織のマネジャーに適して
いる。ノウハウ・マネジャー、つまり、技術知識や情報を供給するミドル・マネジャーではどうか。
たとえ部下が一人もいなくても、社内コンサルタントとして多様な「顧客」にサービスすれば、それ
は完全なフルタイムの仕事である。事実、週に約半日を企画、諮問、コーディネーションなどのグル
ープの一員として当てれば、一人の部下を持つのと同じことになる。したがって、大まかな経験でい
えば、通常の管理階層の中にいる監督者にしても、ノウハウの提供者にしても、マネジャーは六人か
ら八人の部下、あるいはそれに相当する人を持つように心がけるべきである。

6~8なので、平均7人として、
 トップ 1人
 役員  7人
 事業部 49人 ここまで57
 部門  343人  同  400  
 課  2401人    2801
 担当 16807人  計 19608人
6階層あれば2万人近い企業になるということになる。
巨大な企業でも6から7階層に収まるように組織設計していけば、マネジメント可能な範囲ということになりそうだ。

本書の第三部は、チームの話。第四部は、マネジャーの管理の仕事(人事考課、面接、採用)などについての話である。
興味は尽きないが、長くなるので、このへんにしておく。






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この記事へのコメント

2020年05月30日 01:19
こんばんは

これは勉強になりそうですね。
読みたいです。
チェックします。