『「数字で考える」は武器になる』

『「数字で考える」は武器になる』 中尾 隆一郎 かんき出版
こちらも昨年紹介した『最高の結果を出すKPIマネジメント』を著した中尾氏の著作。

ビジネスパーソンに必要なことは、数字で表すことだという。
数字は明確であり、理解しやすいので、説得力がある。

会社の経営層も数字で考えているので、その数字で語ると説得しやすい。

沢山の競争相手がいる中で、どうやれば先頭集団に食い込んでいけるのか。

100人に一人の持つ専門性を3つ持てば、
 100×100×100 = 100万
で、100万人に一人の人材になれる。

10人に一人なら3つで、1000人に一人になれる。
1000人規模の会社なら、社内で一番そのことを知っている人物になれるのだ。

著者が10人に一人とまではいかないものの6分の1、すなわち上位17%に入れる「17%の法則」というのを紹介している

 2000年にリクルートワークス研究所で1万3000人を対象とした調査の責任者をした
ことがあります。これは、現在、同研究所で約5万人規模の「就業実態パネル調査」という大規
模調査を実施していますが、その源流にあたる「ワーキングパーソン調査」と呼んでいたもので
す。その調査の中で「17%」という数字があり、あまりの少なさに衝撃を受けたのです。
 この17%、つまり6分の1とは、何を表している数値だと思いますか? これは、過去1ヵ月
に仕事に関する情報をインプット(本を読む、講演を聞く、専門家に聞くなど)した人の割合な
のです。
 直近の「就業実態パネル調査」でも、質問の仕方は異なりますが、学びの「習慣」がある人の
割合は30%程度だとのレポートがありました。どちらにしても日本の労働者は、あまり学ばない
ようなのです。
 ちなみに、この17%を残りの83%と比較すると、同じ年齢なら役職が高く給料も高い。同じ役
職なら給料が高く、同じ学歴なら給料が高い、という結果になりました。

 定期的に仕事に関するインプットをするだけ、たとえば関連する本を読むだけで「6人のう
ちのトップ」になれる可能性があるのです。しかもこのカテゴリーに入ることができると、給
料も高くなる可能性が高い。これは、なかなか効果的なタグです。
 この手のインプットは、すぐに効果が表れないかもしれませんが、長期的には効果が出るのです。

著者は、この事実を知り、年間100冊の本を読むようにしているという。
著者の本を読む速度から、1週間にどのくらいの時間を費やすかを計算し、その時間をどこに確保するか(主に通勤時間)を考え、実践しているそうだ。

小生も在宅勤務が、読書時間を奪うと言わず、なんとか時間を確保したいと思った。

さて、著者の学生時代にある教授の言葉

「世の中には2種類のバカがいる。『数字で何でも分かると思っているバカ』と『数字では何も
分からないと思っているバカ』。君たちはどちらのバカにもなってはいけない」

 最初は意味が良くわかりませんでした。詳しく話を聞くと、教授が伝えたかったのは次のよう
な話でした。数字で何かを表すには、その表したい事象を「モデル」として取り扱います。モデ
ルというのはある意味、物事を理想の状態であると仮定し、あるいは単純化した場合に成立しま
す。
 ところが、私たちが実際に取り扱うのは、理想でも単純でもない実際の現象。つまり、そもそ
も「モデル」と「実際」には誤差があるのです。ということは、「理想化、単純化したモデルを
前提に作成した数字で何もかも分かる」というのは正しいわけがないのです。

 しかし、一方、正しくモデルを作ると7割くらいの実態をつかめるというのも経験値から言え
ます。要するに、「数字では何も分からない」というのも正しいわけがない。恩師のアドバイス
は、最高のモデルを作るという努力をする前提で、それは完全ではないという恐れを常に持ちな
さいというメッセージだったのです。
 そして、残りの3割については、経験や知恵を足して補いなさいということだったのです。そ
れを数字では表現できない、「定性情報」と表現しました。

数字を読むには、それなりの技術が必要なのである。
数字をそのまま信じてしまうのもいけないし、まったく信じないのもダメ。

その数字は7割くらいは確からしい。残り3割は、もう少し情報を加えて考えるというのがよりうまくいくコツらしい。

第3章では、経営の数字として損益分岐点について解説されている。ここでは細かい説明は省く。

経営状態を良くするには、損益分岐点を下げる対策が必要である。

その方法の一つが固定費を下げるである。

 具体的に固定費を下げるためには、自社で保有(=固定費)するのではなく、外注(アウトソー
シング)すれば良いのです。もちろん、自社に保有したいものもたくさんあります。しかし、基
本原則としては、自社保有ではなく、他社に依頼することで変動費にしたいのです。そして、売
上が確実に見込める場合だけ、自社保有=固定費として、確実に利益を確保したいのです。特に
企業規模が小さいときは尚更です。
「売れるものは自社で、売れるかどうかわからないものは他社で」という戦略は、アマゾンを見
ていると忠実に実行しているのが良くわかります。アマゾンは新しい商品カテゴリーに参入する
際、最初はマーケットプレイスとして、様々な小売店の販売仲介をしています。売れたら、小売
店に変動費として手数料を支払います。結果、アマゾンの利益は限られていますが、リスクは相
対的に小さくなります。コストを変動費にしているからです。
 ところが、その商品カテゴリーの売上が確実に上がることが分かると、アマゾン自身で、商品
を仕入れて自社販売を開始します。自社として固定費をかけてリスクをとるわけです。一般的に
経営者は、固定費にすることを避けたいと考えます。しかし、アマゾンは、すでにマーケットプ
レイスを通してその商品のニーズや売上の見込みがあることを把握しているので、固定費にして
もリスクは少ないと判断できるわけです。アマゾンは、商品が安いイメージを作り上げているの
も上手ですが、本当にマーケティングの原理原則を理解している会社だと思います。

経営指標の数字。

他にも数字があるという。それはタイムマネジメントの日数を表す数字

 未経験の分野に人事異動すること、あるいは転職先でリーダーに就くことがあります。その場
合に意識しておくとよい数字がいくつかあります。
 Day0、Day1、Day30、Day100です。
……中略……
 ちなみに今から述べる内容は、日経ビジネスセミナー「新規事業を発展させるマネジメント
力」で、企業内新規事業の立ち上げ方について話した内容の要約です。
 題して「もし、みなさんがSUUMOカウンターの責任者に就任したら」。
 新部署への異動の内示を受けた直後は次のような状況でした。

1.事業発案者である前任者が本部企画部門に異動し、住宅業界のあなたが後任に。
2.人脈はまったくありません。メンバーに知人はゼロ。顧客も全く知りません。
3.高い事業計画(売上、出店数)がすでに決まっていました。

 なかなか大変な状態です。業界は知らない、メンバーも顧客も知らない。しかも新規事業とい
うことで高い成長が期待されている。このような状況で何をするのか? というのがお題です。

 Day0とは、就任までに何をするのか。
 Day1とは、就任日に何を新しいメンバーに伝えるのか。
 Day30とは。30日までに何をするのか。(メンバー、株主からの信頼、そして短期成果)
 Day100とは、3か月強までに何をするのか。(明らかな成果)

 ということです。あなたならどうしますか?

さて、著者はどうしたか。

続きはこうである。

 Day0:組織を取りまく現状把握
 Day1:私が何者であるかを伝える
 Day30:メンバー全員との1on1ミーティングと組織の主要メンバーと事業計画の達成
    確率の確認
 Day100:短期成果を上げることで、経営陣とメンバーからの信頼を得て、長期成果が
    出続ける仕組み作り

著者は、異動が決まったときに、異動先の事業分野が著者にとって新しい分野の場合にどうするかをコラムで述べている。

それは10冊の本を読むのだという。著者の読書量だと1ヵ月ちょっとで読める。
その10冊に選ぶ本には、最初の3冊という定義があるという。

 まずは新しい分野のキーワードで本をピックアップしてみます。本のレビューやまとめがある
ので、それらを参考に絞っていきます。基準は、レビューが多い本。まとめ記事の多い本がお勧
めです。
 次に、目次や本の概要などで想像を膨らませていきます。ある程度の本を絞れたら、最初に読
む3冊を選びます。これがうまくできれば、その分野の地図の概要ができます。
……中略……
 私は3冊を選ぶ際に、次の観点を大事にしています。全体概要が分かるもの1冊。古典で現在
まで生き残っている1冊。そして最先端のキーワードが載っている1冊です。つまり、新しく担
当する分野の全体概要を把握したうえで、過去と未来に時間軸をずらして立体的に把握していま
す。残りの7冊は、最初の3冊の中で気になったキーワードとひもづけて選ぶと良いでしょう。
あるいは、最初に本をたくさん選べなかった時は、この3冊の引用元の一次情報の本を読むこと
で、理解を深めることも有効です。
 新しい分野にチャレンジする際の「10冊と3冊」。参考になれば嬉しいです。

限られた時間の中で、情報を効率的に集めるには、良い方法だと思う。






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